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日本語アブストラクト

February 25, 2010 Vol. 362 No. 8

骨粗鬆症の閉経後女性に対するラソフォキシフェン
Lasofoxifene in Postmenopausal Women with Osteoporosis

S.R. Cummings and Others

背景

骨折,乳癌,心血管疾患のリスクに対するラソフォキシフェン(lasofoxifene)の効果は明らかにされていない.

方 法

この無作為化試験では,59~80 歳で大腿骨頸部または脊椎の骨密度 T スコアが -2.5 以下の女性 8,556 例を,ラソフォキシフェン(0.25 mg または 0.5 mg)群とプラセボ群に割り付け,1 日 1 回の投与を 5 年間行った.主要エンドポイントは,脊椎骨折,エストロゲン受容体(ER)陽性乳癌,非脊椎骨折とした.副次的エンドポイントは,主要冠動脈疾患イベントと脳卒中とした.

結 果

ラソフォキシフェン 0.5 mg/日は,プラセボと比較して,脊椎骨折リスク減少(1,000 人年あたり 13.1 例 対 22.4 例,ハザード比 0.58,95%信頼区間 [CI] 0.47~0.70),非脊椎骨折リスク減少(同 18.7 例 対 24.5 例,ハザード比 0.76,95% CI 0.64~0.91),ER 陽性乳癌リスク減少(同 0.3 例 対 1.7 例,ハザード比 0.19,95% CI 0.07~0.56),冠動脈疾患イベントリスク減少(同 5.1 例 対 7.5 例,ハザード比 0.68,95% CI 0.50~0.93),脳卒中リスク減少(同 2.5 例 対 3.9 例,ハザード比 0.64,95% CI 0.41~0.99)と関連していた.ラソフォキシフェン 0.25 mg/日は,プラセボと比較して,脊椎骨折リスク減少(同 16.0 例 対 22.4 例,ハザード比 0.69,95% CI 0.57~0.83),脳卒中リスク減少(同 2.4 例 対 3.9 例,ハザード比 0.61,95% CI 0.39~0.96)と関連していた.ラソフォキシフェンは低用量・高用量のいずれも,プラセボと比較して静脈血栓塞栓イベントの増加(同 3.8 例・2.9 例 対 1.4 例;ハザード比はそれぞれ 2.67 [95% CI 1.55~4.58],2.06 [95% CI 1.17~3.60])と関連していた.子宮体癌は,プラセボ群 3 例,低用量ラソフォキシフェン群 2 例,高用量ラソフォキシフェン群 2 例に認められた.1,000 人年あたりの死亡率は,プラセボ群 5.1,低用量ラソフォキシフェン群 7.0,高用量ラソフォキシフェン群 5.7 であった.

結 論

骨粗鬆症の閉経後女性では,ラソフォキシフェン 0.5 mg/日の投与により,非脊椎骨折,脊椎骨折,ER 陽性乳癌,冠動脈疾患,脳卒中のリスクに減少がみられたが,静脈血栓塞栓イベントのリスクには増加がみられた.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00141323)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2010; 362 : 686 - 96. )