The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

February 25, 2010 Vol. 362 No. 8

結核治療中の抗レトロウイルス療法の開始時期
Timing of Initiation of Antiretroviral Drugs during Tuberculosis Therapy

S.S. Abdool Karim and Others

背景

結核とヒト免疫不全ウイルス(HIV)の重複感染患者では,死亡率が高い.結核治療との関連で,抗レトロウイルス療法の至適開始時期については依然として議論がある.

方 法

南アフリカのダーバンにおける非盲検無作為化比較試験において,結核と HIV の重複感染患者 642 例を,結核治療中に抗レトロウイルス療法を開始する群(統合治療群 2 群)と,結核治療終了後に抗レトロウイルス療法を開始する群(逐次治療群 1 群)のいずれかに割り付けた.結核は喀痰塗抹検査の抗酸菌陽性に基づき診断した.CD4+細胞数が 500 個/mm3 未満の患者のみを対象とした.全例が,標準的な結核治療,トリメトプリム・スルファメトキサゾール配合剤による予防,ジダノシン+ラミブジン+エファビレンツによる 1 日 1 回の抗レトロウイルスレジメンを受けた.主要エンドポイントはあらゆる原因による死亡とした.

結 果

この分析では,データ・安全性モニタリング委員会が全例に統合治療を行うべきであると勧告した 2008 年 9 月 1 日までの,逐次治療群のデータと両統合治療群のデータを比較した.両統合治療群では 429 例中 25 例が死亡し(100 人年あたり 5.4),逐次治療群では 213 例中 27 例が死亡し(100 人年あたり 12.1),両統合治療群の死亡率に 56%の相対的減少が認められた(両統合治療群のハザード比 0.44,95%信頼区間 0.25~0.79,P=0.003).CD4+細胞数で層別しても,死亡率は両統合治療群のほうが低かった.追跡期間中の有害事象の発生率は両群で同程度であった.

結 論

結核治療中の抗レトロウイルス療法の開始により,生存率が有意に改善された.これにより結核診療と HIV 診療の統合が促進されるものと考えられる.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00398996)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2010; 362 : 697 - 706. )