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March 11, 2010 Vol. 362 No. 10

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難治性のアタマジラミに対する経口イベルメクチンとマラチオンローションの比較
Oral Ivermectin versus Malathion Lotion for Difficult-to-Treat Head Lice

O. Chosidow and Others

背景

アタマジラミ感染は世界中で,とくに 3~11 歳の小児に多くみられる.治療は通常,殺虫薬(ピレスロイド系やマラチオン)をローションとして 7~11 日間隔で 2 回塗布して行われる.薬剤耐性の発現,とくにピレスロイド耐性が治療失敗の原因となっているが,代替薬の有効性については議論がある.

方 法

多施設共同クラスター無作為化二重盲検ダブルダミー比較試験において,経口イベルメクチン(400 μg/kg 体重)と 0.5%マラチオンローションの有効性を比較した.登録前にピレスロイド系またはマラチオンを 2~6 週間塗布しても孵化したシラミが駆除されなかった患者を対象に,各薬剤を 1 日目(ベースライン受診時)と 8 日目に投与した.クラスターは家族と定義した.感染の確認とモニタリングは,目の細かい櫛で髪を梳いて行った.対象は 2 歳以上,体重 15 kg 以上とし,全例が試験実施施設で治療を受けた.主要エンドポイントは,15 日目にアタマジラミが存在しないこととした.

結 果

376 家族の患者 812 例を,イベルメクチン群とマラチオン群のいずれかに無作為に割り付けた.intention-to-treat 集団では,15 日目にシラミが確認されなかった割合はイベルメクチン群 95.2%に対し,マラチオン群 85.0%であった(絶対差 10.2 パーセントポイント,95%信頼区間 [CI] 4.6~15.7,P<0.001).per-protocol 集団では,15 日目にシラミが確認されなかった割合はイベルメクチン群 97.1%に対し,マラチオン群 89.8%であった(絶対差 7.3 パーセントポイント,95% CI 2.8~11.8,P=0.002).有害事象の発生頻度に両群間で有意差は認められなかった.

結 論

難治性のアタマジラミ感染に対し,7 日間隔で 2 回投与した経口イベルメクチンは,0.5%マラチオンローションよりも有効性が高かったことから,代替薬となる可能性が示唆される.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00819520)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2010; 362 : 896 - 905. )