The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

December 9, 2010 Vol. 363 No. 24

メタドンまたはブプレノルフィンへ曝露後の新生児薬物離脱症候群
Neonatal Abstinence Syndrome after Methadone or Buprenorphine Exposure

H.E. Jones and Others

背景

μオピオイド受容体の完全作動薬であるメタドン(methadone)は,妊娠中のオピオイド依存症治療に推奨される.しかし,メタドンへの出生前曝露は,中枢神経系の過剰興奮と自律神経系の機能障害を特徴とする新生児薬物離脱症候群(neonatal abstinence syndrome:NAS)に関連し,投薬と長期入院を必要とする場合が多い.μオピオイド受容体の部分作動薬であるブプレノルフィンはオピオイド依存症治療の代替となるが,妊娠女性ではまだ深く検討されていない.

方 法

米国,オーストリア,カナダの 8 施設で,オピオイド依存症の妊娠女性 175 例の包括的ケアにおけるブプレノルフィンとメタドンを比較する二重盲検ダブルダミー可変用量無作為化対照試験を実施した.主要転帰は,NAS の治療を必要とした新生児数,ピーク NAS スコア,NAS の治療に必要としたモルヒネの総量,新生児の入院期間,新生児の頭囲とした.

結 果

メタドン群の女性 89 例中 16 例(18%)とブプレノルフィン群の 86 例中 28 例(33%)が治療を中止した.妊娠末期まで追跡した母親から出生した新生児 131 例(ブプレノルフィン曝露児 58 例,メタドン曝露児 73 例)を治療群で比較すると,ブプレノルフィン群では必要としたモルヒネ量が有意に少なく(平均投与量 1.1 mg 対 10.4 mg,P<0.0091),入院期間が有意に短く(10.0 日 対 17.5 日,P<0.0091),治療期間が有意に短いことが示された(4.1 日 対 9.9 日,P<0.003125)(P 値は事前に規定された有意性の閾値に基づき算出).その他の主要転帰や副次的転帰,母体または新生児の有害事象の発生率に,有意な群間差は認められなかった.

結 論

これらの結果は,ブプレノルフィンの使用が妊娠女性のオピオイド依存症に対する許容可能な治療法であることを示している.(米国国立薬物乱用研究所から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00271219)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2010; 363 : 2320 - 31. )