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December 23, 2010 Vol. 363 No. 26

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人工股関節置換術後の血栓予防におけるアピキサバンとエノキサパリンとの比較
Apixaban versus Enoxaparin for Thromboprophylaxis after Hip Replacement

M.R. Lassen and Others

背景

股関節置換術後の血栓予防にはさまざまなレジメンがある.エノキサパリンのような低分子量ヘパリン製剤は主に第 Xa 因子を阻害するが,トロンビンもある程度阻害する.アピキサバン(apixaban)のような第 Xa 因子特異的経口阻害薬は血栓予防に有効であり,出血リスクがより低く,使いやすい可能性がある.

方 法

二重盲検ダブルダミー試験において,人工股関節全置換術を施行する患者 5,407 例を,アピキサバン 2.5 mg を 1 日 2 回経口投与する群と,エノキサパリン 40 mg を 24 時間ごとに皮下投与する群に無作為に割り付けた.アピキサバンの投与は術創閉鎖の 12~24 時間後に開始し,エノキサパリンの投与は手術の 12 時間前に開始した.予防投与は術後 35 日間継続し,その後両下肢静脈造影を行った.有効性の主要転帰は,治療期間中の無症候性・症候性の深部静脈血栓症,非致死的肺塞栓症,全死因死亡の複合とした.患者の追跡は,予定した試験薬の最終投与後さらに 60 日間行った.

結 果

主要有効性解析は,アピキサバン群の 1,949 例(72.0%)とエノキサパリン群の 1,917 例(71.0%)で評価することができた.有効性の主要転帰は,アピキサバン群の 27 例(1.4%)とエノキサパリン群の 74 例(3.9%)で発生した(アピキサバンの相対リスク 0.36,95%信頼区間 [CI] 0.22~0.54,非劣性と優越性の両方について P<0.001,絶対リスク減少 2.5 パーセントポイント,95% CI 1.5~3.5).重大な出血と,臨床的意義はあるが重大ではない出血から成る複合転帰は,アピキサバン群の 2,673 例中 129 例(4.8%)とエノキサパリン群の 2,659 例中 134 例(5.0%)で発生した(リスクの絶対差 -0.2 パーセントポイント,95% CI -1.4~1.0).

結 論

人工股関節置換術を施行する患者の血栓予防にアピキサバンを用いた場合,エノキサパリンを用いた場合と比較して,静脈血栓塞栓症の発症率が低く,出血の増加はみられなかった.(Bristol-Myers Squibb 社,Pfizer 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00423319)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2010; 363 : 2487 - 98. )