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July 29, 2010 Vol. 363 No. 5

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去勢抵抗性前立腺癌に対するシプロイセル T 免疫療法
Sipuleucel-T Immunotherapy for Castration-Resistant Prostate Cancer

P.W. Kantoff and Others

背景

自己活性細胞免疫療法であるシプロイセル T(sipuleucel-T)は,転移性去勢抵抗性前立腺癌患者の死亡リスクの減少に有効であるというエビデンスを示している.

方 法

多施設共同二重盲検プラセボ対照第 3 相臨床試験において,患者 512 例を,シプロイセル T 群(341 例)とプラセボ群(171 例)に 2:1 の割合で無作為に割り付け,隔週で計 3 回点滴静注した.主要エンドポイントは全生存期間とし,血清中の前立腺特異抗原(PSA)と乳酸脱水素酵素のベースライン値で補正した層別化 Cox 回帰モデルにより解析した.

結 果

シプロイセル T 群では,プラセボ群と比較して死亡リスクに 22%の相対的減少が認められた(ハザード比 0.78,95%信頼区間 [CI] 0.61~0.98,P=0.03).この減少は,生存期間の中央値 4.1 ヵ月の延長に相当した(シプロイセル T 群 25.8 ヵ月 対 プラセボ群 21.7 ヵ月).36 ヵ月生存率はシプロイセル T 群で 31.7%,プラセボ群で 23.0%であった.治療効果は,未補正 Cox モデルおよび log-rank 検定を用いた場合(ハザード比 0.77,95% CI 0.61~0.97,P=0.02)と,試験治療後のドセタキセル使用で補正した場合(ハザード比 0.78,95% CI 0.62~0.98,P=0.03)の双方で認められた.客観的な無増悪生存期間は 2 群で同程度であった.シプロイセル T の投与を受けた患者では,免疫抗原に対する免疫応答が認められた.シプロイセル T 群でより高頻度に報告された有害事象は,悪寒,発熱,頭痛であった.

結 論

シプロイセル T の使用により,転移性去勢抵抗性前立腺癌患者の全生存期間は延長した.無増悪生存期間に対する効果は認められなかった.(Dendreon 社より研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00065442)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2010; 363 : 411 - 22. )