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March 17, 2011 Vol. 364 No. 11

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都市部の小児の喘息に対するオマリズマブ(IgE 抗体)の無作為化試験
Randomized Trial of Omalizumab (Anti-IgE) for Asthma in Inner-City Children

W.W. Busse and Others

背景

都市部の小児においては,アレルゲンへの曝露と感作が喘息の重症度に影響を及ぼすことが,研究によって明確に示されている.より優れた疾患コントロールを達成するには,環境改善とガイドラインに基づく治療だけでは限界があることも示されている.

方 法

持続型喘息を有する都市部の小児,青年,若年成人を,複数の施設で無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験に登録し,ガイドラインに基づく治療にオマリズマブを追加した場合の有効性を,プラセボと比較評価した.試験は 60 週間行い,主要転帰は喘息症状とした.

結 果

無作為化した 419 例(無作為化の時点で 73%が中等症または重症)のうち,オマリズマブ群ではプラセボ群と比較して,2 週あたりの喘息症状発現日数が 1.96 日から 1.48 日へと,有意に 24.5%減少した(P<0.001).また,オマリズマブ群では,1 回以上の増悪をきたした患者の割合が 48.8%から 30.3%へと有意に低下した(P<0.001).オマリズマブ群では,吸入ステロイド薬と長時間作用型 b 刺激薬の使用が減少したにもかかわらず,改善が認められた.

結 論

都市部の小児,青年,若年成人に対し,ガイドラインに基づく治療にオマリズマブを追加することで喘息コントロールが改善され,増悪の季節性ピークがほぼ消失し,喘息コントロールにその他の薬剤を使用する必要性が低下した.(米国国立アレルギー感染症研究所,Novartis 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00377572)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 364 : 1005 - 15. )