The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

April 28, 2011 Vol. 364 No. 17

左室機能不全患者に対する冠動脈バイパス術
Coronary-Artery Bypass Surgery in Patients with Left Ventricular Dysfunction

E.J. Velazquez and Others

背景

冠動脈疾患と心不全を有する患者に対する冠動脈バイパス術(CABG)の役割は明確には確立されていない.

方 法

2002 年 7 月~2007 年 5 月に,駆出率 35%以下で CABG が適応となる冠動脈疾患患者 1,212 例を,薬物療法単独(602 例)または薬物療法+CABG(610 例)に無作為に割り付けた.主要転帰は全死因死亡率とした.主要副次的転帰は,心血管系の原因による死亡率,全死因死亡または心血管系の原因による入院の発生率などとした.

結 果

主要転帰は,薬物療法群 244 例(41%),CABG 群 218 例(36%)で発生した(CABG のハザード比 0.86,95%信頼区間 [CI] 0.72~1.04,P=0.12).心血管系の原因と判断された死亡は,薬物療法群 201 例(33%),CABG 群 168 例(28%)で発生した(CABG のハザード比 0.81,95% CI 0.66~1.00,P=0.05).全死因死亡または心血管系の原因による入院は,薬物療法群 411 例(68%),CABG 群 351 例(58%)で発生した(CABG のハザード比 0.74,95% CI 0.64~0.85,P<0.001).追跡期間(中央値 56 ヵ月)の終了までに CABG を施行されたのは,薬物療法群 100 例(17%),CABG 群 555 例(91%)であった.

結 論

この無作為化試験では,薬物療法単独と薬物療法+CABG とで,主要エンドポイントとした全死因死亡率に有意差は認められなかった.CABG 群では,薬物療法単独群と比較して,心血管系の原因による死亡率と,全死因死亡または心血管系の原因による入院の発生率が低かった.(米国国立心臓・肺・血液研究所および Abbott Laboratories 社から研究助成を受けた.STICH ClinicalTrials.gov 番号:NCT00023595)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 364 : 1607 - 16. )