The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

May 12, 2011 Vol. 364 No. 19

骨盤臓器脱に対する前腟壁形成術と経腟的メッシュ手術との比較
Anterior Colporrhaphy versus Transvaginal Mesh for Pelvic-Organ Prolapse

D. Altman and Others

背景

骨盤臓器脱の修復には,近年,標準化されたメッシュキットの使用が急速に拡大しているが,このアプローチによって,従来の腟壁形成術よりも優れた転帰が得られるかどうかは明らかにされていない.

方 法

多施設共同無作為化並行群間比較試験において,前腟壁脱(膀胱瘤)を認める女性を対象として,トロカールガイド下ポリプロピレン製メッシュキットによる経腟的修復術と,従来の腟壁形成術とを比較した.主要転帰は,術後 12 ヵ月の時点における,骨盤臓器脱定量法に基づく客観的な解剖学的判定がステージ 0(脱出なし)または 1(前腟壁の位置が処女膜の上 1 cm を超える)であることと,主観的な腟膨隆症状の消失の複合とした.

結 果

389 例が無作為化され,200 例がメッシュキットによる経腟的修復術を受け,189 例が従来の腟壁形成術を受けた.1 年の時点での主要転帰は,経腟的メッシュ修復術群(60.8%)のほうが腟壁形成術群(34.5%)よりも有意に多かった(絶対差 26.3 パーセントポイント,95%信頼区間 15.6~37.0).メッシュ修復術群では,腟壁形成術群よりも手術時間が長く,術中出血率が高かった(両比較について P<0.001).膀胱穿孔率は,メッシュ修復術群 3.5%,腟壁形成術群 0.5%であり(P=0.07),術後に新たに腹圧性尿失禁が発生した割合はそれぞれ 12.3%,6.3%であった(P=0.05).メッシュ修復術群 186 例では,追跡期間中にメッシュの露出を修正するための外科的再介入が 3.2%で行われた.

結 論

標準化されたトロカールガイド下メッシュキットによる膀胱瘤の修復は,前腟壁形成に比べて,短期的な治療成功率は高くなったが,手術合併症と術後の有害事象発生率も高くなった.(カロリンスカ研究所,Ethicon 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00566917)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 364 : 1826 - 36. )