The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

May 19, 2011 Vol. 364 No. 20

新生血管を伴う加齢黄斑変性症に対するラニビズマブとベバシズマブ
Ranibizumab and Bevacizumab for Neovascular Age-Related Macular Degeneration

The CATT Research Group

背景

新生血管を伴う加齢黄斑変性症(AMD)の治療におけるラニビズマブの有効性は臨床試験で確立されている.また,ベバシズマブは,AMD 治療の有効性を支持するデータは存在しないにもかかわらず,適応外使用されている.

方 法

多施設共同単盲検非劣性試験において,新生血管を伴う AMD 患者 1,208 例を,ラニビズマブまたはベバシズマブの硝子体内注射を月 1 回行うか,月 1 回の評価により必要に応じて行う 4 つの群のいずれかに無作為に割り付けた.主要転帰は 1 年の時点での視力変化の平均とし,視力の差の非劣性限界を,視力表で 5 文字とした.

結 果

ベバシズマブ月 1 回投与はラニビズマブ月 1 回投与と同等で,それぞれ 8.0 文字,8.5 文字増加した.ベバシズマブ頓用はラニビズマブ頓用と同等で,それぞれ 5.9 文字,6.8 文字増加した.ラニビズマブ頓用はラニビズマブ月 1 回投与と同等であったが,ベバシズマブ頓用とベバシズマブ月 1 回投与の比較結果は確定的ではなかった.中心窩網膜厚減少の平均は,ラニビズマブ月 1 回投与群(196 μm)で,ほかの 3 群(152~168 μm)より大きかった(分散分析による P=0.03).死亡,心筋梗塞,脳卒中の発生率は,ベバシズマブ投与患者とラニビズマブ投与患者で同程度であった(P>0.20).重篤な全身有害事象(主に入院)が発生した患者の割合は,ベバシズマブ群のほうがラニビズマブ群より高く(24.1% 対 19.0%,リスク比 1.29,95%信頼区間 1.01~1.66),発生数の多かったイベントは,先行研究では懸念分野とされなかった疾患カテゴリーに広く分布していた.

結 論

ベバシズマブとラニビズマブは,同じスケジュールでの投与により,1 年の時点で視力改善に同等の効果が得られた.ラニビズマブの視力への効果は,月 1 回の評価により必要に応じて投与した場合と月 1 回投与した場合とで同等であった.重篤な有害事象発生率の差についてはさらに検討する必要がある.(米国国立眼研究所から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00593450)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 364 : 1897 - 908. )