The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

June 2, 2011 Vol. 364 No. 22

新生児サイトメガロウイルススクリーニングのための唾液を用いたポリメラーゼ連鎖反応アッセイ
Saliva Polymerase-Chain-Reaction Assay for Cytomegalovirus Screening in Newborns

S.B. Boppana and Others

背景

先天性サイトメガロウイルス(CMV)感染症は難聴の重要な原因であるが,検査は容易ではないため,CMV に関連する難聴のリスクを有する乳児のほとんどは,生後早期には同定されない.新生児 CMV スクリーニングの標準的アッセイは,出生時に採取した唾液検体の迅速培養であるが,このアッセイは自動化することができない.代替法として,リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(PCR)をベースとし,出生時に採取した唾液を液体のまま用いる検査法と乾燥させて用いる検査法が開発されている.

方 法

新生児を対象とした前向き多施設共同スクリーニング研究において,唾液検体および乾燥唾液検体を用いた 2 つのリアルタイム PCR アッセイと,出生時に採取した唾液検体の迅速培養とを比較した.

結 果

乳児 34,989 例のうち,177 例(0.5%,95%信頼区間 [CI] 0.4~0.6)が 3 つの検査法のうちの 1 つ以上で CMV 陽性であった.唾液を用いた PCR アッセイでスクリーニングを行った 17,662 例のうち 17,569 例は CMV 陰性であり,85 例(0.5%,95% CI 0.4~0.6)は培養,PCR アッセイともに陽性であった.唾液を用いた PCR アッセイの感度は 100%(95% CI 95.8~100),特異度は 99.9%(95% CI 99.9~100)であり,陽性適中率は 91.4%(95% CI 83.8~96.2),陰性適中率は 100%(95% CI 99.9~100)であった.乾燥唾液を用いた PCR アッセイでスクリーニングを行った 17,327 例では,迅速培養で CMV 陽性であった 76 例(0.4%,95% CI 0.3~0.5)のうち,74 例が PCR アッセイで CMV 陽性であった.乾燥唾液を用いた PCR アッセイの感度は 97.4%(95% CI 90.8~99.7),特異度は 99.9%(95% CI 99.9~100)であった.陽性適中率は 90.2%(95% CI 81.7~95.7),陰性適中率は 99.9%(95% CI 99.9~100)であった.

結 論

唾液検体を用いたリアルタイム PCR アッセイと乾燥唾液検体を用いたリアルタイム PCR アッセイは,ともに CMV 感染症の検出において高い感度と特異度を示したことから,新生児 CMV のスクリーニングツールの候補と考えるべきである.(米国国立聴覚・伝達障害研究所から研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 364 : 2111 - 8. )