The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

June 9, 2011 Vol. 364 No. 23

プライマリケア医による C 型肝炎ウイルス感染の治療成績
Outcomes of Treatment for Hepatitis C Virus Infection by Primary Care Providers

S. Arora and Others

背景

地域医療アウトカム改善のための連携拡大(Extension for Community Healthcare Outcomes:ECHO)モデルは,C 型肝炎ウイルス(HCV)感染のような複雑な健康上の問題を有するが医療を十分に受けられていない集団の医療アクセスを改善するために構築された.ECHO プログラムでは,テレビ会議の技術を利用して,プライマリケア医に複雑な疾患を治療する訓練を行う.

方 法

ニューメキシコ大学(UNM)の HCV 診療部での HCV 感染の治療と,ニューメキシコ州の農村部と刑務所にある 21 ヵ所の ECHO 施設でのプライマリケア医による治療とを比較する前向きコホート研究を行った.慢性 HCV 感染患者で,これまでに感染に対する治療を受けていなかった 407 例を登録した.主要エンドポイントはウイルス排除(SVR)とした.

結 果

UNM の HCV 診療部で治療を受けた患者の 57.5%(146 例中 84 例)と,ECHO 施設で治療を受けた患者の 58.2%(261 例中 152 例)で SVR が認められた(群間差 0.7 パーセントポイント,95%信頼区間 -9.2~10.7,P=0.89).HCV 遺伝子型 1 型感染例の SVR 率は,UNM の HCV 診療部では 45.8%(83 例中 38 例),ECHO 施設では 49.7%(147 例中 73 例)であった(P=0.57).重篤な有害事象は,UNM の HCV 診療部では 13.7%,ECHO 施設では 6.9%に発生した.

結 論

この研究の結果から,ECHO モデルは医療を十分に受けられていない地域における HCV 感染の治療に有効な手段であることが示された.このモデルを導入すれば,米国のほかの州や他国でも,現在よりも多くの HCV 感染患者を治療できるようになるであろう.(米国医療研究品質局ほかから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 364 : 2199 - 207. )