The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

June 30, 2011 Vol. 364 No. 26

治療歴のない転移性悪性黒色腫に対するイピリムマブとダカルバジンの併用
Ipilimumab plus Dacarbazine for Previously Untreated Metastatic Melanoma

C. Robert and Others

背景

治療歴のある転移性悪性黒色腫患者を対象としたイピリムマブ(ipilimumab)単剤療法(3 mg/kg 体重)の第 3 相試験では,糖蛋白 100 と比較して全生存期間が延長した.われわれは,治療歴のない転移性悪性黒色腫患者を対象に,イピリムマブ(10 mg/kg)とダカルバジンの併用療法の第 3 相試験を行った.

方 法

治療歴のない転移性悪性黒色腫患者 502 例を,1,4,7,10 週目にイピリムマブ(10 mg/kg)+ダカルバジン(850 mg/m2 体表面積)を投与した後 22 週目まで 3 週ごとにダカルバジンのみを投与する群と,1,4,7,10 週目にダカルバジン(850 mg/m2)+プラセボを投与した後 22 週目まで 3 週ごとにダカルバジンのみを投与する群に 1:1 の割合で無作為に割り付けた.安定または客観的奏効と判定され,かつ用量制限毒性がみられなかった患者に対しては,維持療法としてその後 12 週ごとにイピリムマブまたはプラセボを投与した.主要エンドポイントは全生存期間とした.

結 果

全生存期間は,イピリムマブ+ダカルバジン群のほうがダカルバジン+プラセボ群よりも有意に長かった(11.2 ヵ月 対 9.1 ヵ月,1 年生存率 [47.3% 対 36.3%],2 年生存率 [28.5% 対 17.9%],3 年生存率 [20.8% 対 12.2%] はイピリムマブ+ダカルバジン群のほうが高かった)(死亡のハザード比 0.72,P<0.001).グレード 3 または 4 の有害事象はイピリムマブ+ダカルバジン群では 56.3%で発生したのに対し,ダカルバジン+プラセボ群では 27.5%で発生した(P<0.001).イピリムマブ+ダカルバジン群では,薬剤に関連した死亡,胃腸管穿孔は認められなかった.

結 論

治療歴のない転移性悪性黒色腫患者に対するイピリムマブ(10 mg/kg)+ダカルバジン併用療法により,ダカルバジン+プラセボ併用療法と比較して全生存期間が延長した.有害事象の種類はイピリムマブの先行試験でみられたものと一致していたが,先行試験に基づく予想よりも,肝機能検査値上昇発現率は高く,消化管イベント発生率は低かった.(Bristol-Myers Squibb 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00324155)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 364 : 2517 - 26. )