The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

June 30, 2011 Vol. 364 No. 26

BRAF V600E 変異を有する悪性黒色腫におけるベムラフェニブによる生存率の改善
Improved Survival with Vemurafenib in Melanoma with BRAF V600E Mutation

P.B. Chapman and Others

背景

BRAF V600E 変異を有する転移性悪性黒色腫患者に対する BRAF キナーゼ阻害薬ベムラフェニブ(vemurafenib)(PLX4032)の第 1 相,第 2 相臨床試験では,奏効率が 50%を超えることが示されている.

方 法

BRAF V600E 変異を有する治療歴のない転移性悪性黒色腫患者 675 例を対象に,ベムラフェニブとダカルバジンを比較する第 3 相無作為化臨床試験を行った.患者を,ベムラフェニブ群(960 mg を 1 日 2 回経口投与)とダカルバジン群(3 週ごとに 1,000 mg/m2 体表面積を静脈内投与)のいずれかに無作為に割り付けた.共通主要エンドポイントは,全生存率と無増悪生存率とした.副次的エンドポイントは,奏効率,奏効期間,安全性などとした.最終解析は 196 例が死亡した時点,中間解析は 98 例が死亡した時点で行うよう計画した.

結 果

6 ヵ月の時点での全生存率はベムラフェニブ群で 84%(95%信頼区間 [CI] 78~89),ダカルバジン群で 64%(95% CI 56~73)であった.全生存率に関する中間解析と無増悪生存率に関する最終解析において,ベムラフェニブは,ダカルバジンとの比較で死亡の相対リスク 63%の減少と,死亡または腫瘍進行の相対リスク 74%の減少に関連していた(両比較について P<0.001).独立データ・安全性モニタリング委員会による中間解析の検討後,ダカルバジン群からベムラフェニブ群へのクロスオーバーが勧告された.奏効率はベムラフェニブ群で 48%,ダカルバジン群で 5%であった.ベムラフェニブに関連して多くみられた有害事象は,関節痛,発疹,疲労,脱毛,ケラトアカントーマまたは扁平上皮癌,光線過敏症,悪心,下痢であった.これらを呈した患者の 38%では,毒性のために用量調節を必要とした.

結 論

BRAF V600E 変異を有する治療歴のない悪性黒色腫患者において,ベムラフェニブにより全生存率と無増悪生存率が改善した.(Hoffmann-La Roche 社から研究助成を受けた.BRIM-3 ClinicalTrials.gov 番号:NCT01006980)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 364 : 2507 - 16. )