The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

January 27, 2011 Vol. 364 No. 4

公共の場での心停止と自宅での心停止におけるその後の心室性頻脈性不整脈
Ventricular Tachyarrhythmias after Cardiac Arrest in Public versus at Home

M.L. Weisfeldt and Others

背景

院外心停止後最初に記録される心拍異常として心室細動または無脈性心室頻拍が発生する率は,予想以上に低下している.一般市民による自動体外式除細動器(AED)が公共の場で成功していることから,心室細動または無脈性心室頻拍は公共の場で院外心停止が発生した場合により多くみられる最初の心拍異常である可能性が示唆される.われわれは,心停止の発生場所,不整脈の種類,生存率のあいだに関連があるかどうかを検討するための研究を行った.

方 法

2005~07 年に,北米の 10 地域の成人を対象とした院外心停止に関する前向きコホート研究を行った.心室細動または無脈性心室頻拍の発生率と生存退院率を,心停止が自宅で発生した場合と公共の場で発生した場合とで比較した.

結 果

評価した 12,930 件の院外心停止のうち,2,042 件が公共の場で発生し,9,564 件が自宅で発生した.自宅で発生した場合の心室細動または無脈性心室頻拍の発生率は,救急隊員が心停止を目撃した場合は 25%,一般市民が心停止を目撃した場合は 35%,一般市民が AED を使用した場合は 36%であった.公共の場で発生した場合では,それぞれ 38%,60%,79%であった.公共の場で発生した場合に,最初に心室細動または無脈性心室頻拍がみられる補正オッズ比は,自宅で発生した場合と比較して,一般市民が心停止を目撃した場合は 2.28(95%信頼区間 [CI] 1.96~2.66,P<0.001)であり,一般市民が AED を使用した場合は 4.48(95% CI 2.23~8.97,P<0.001)であった.生存退院率は,心停止が公共の場で発生し一般市民が AED を使用した場合は 34%であったのに対し,自宅で発生した場合では 12%であった(補正オッズ比 2.49,95% CI 1.03~5.99,P=0.04).

結 論

院外心停止が救急隊員・一般市民によって目撃されたかどうか,また一般市民によって AED が使用されたかどうかにかかわらず,最初に心室細動または無脈性心室頻拍がみられる心停止の割合は,発生場所が公共の場のほうが自宅よりもはるかに高い.AED の利用しやすさなどの蘇生戦略の付加価値は,心停止の発生場所に関連する可能性がある.(米国国立心臓・肺・血液研究所ほかから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 364 : 313 - 21. )