The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

January 27, 2011 Vol. 364 No. 4

D 型肝炎に対するペグインターフェロン+アデホビル併用療法と各薬剤単独療法の比較
Peginterferon plus Adefovir versus Either Drug Alone for Hepatitis Delta

H. Wedemeyer and Others

背景

B 型肝炎ウイルス,D 型肝炎ウイルス(HDV)への慢性感染は,ウイルス性肝炎を起こし重症化する可能性がある.現在承認されている治療法はない.われわれは,ペグインターフェロンα-2a +アデホビルジピボキシル併用,ペグインターフェロンα-2a 単独,アデホビル単独による 48 週間の治療の安全性と有効性を検討した.

方 法

無作為化試験において,HDV 感染患者 31 例をペグインターフェロンα-2a 180 μg 週 1 回+アデホビル 10 mg 1 日 1 回群(第 1 群),29 例をペグインターフェロンα-2a 180 μg 週 1 回+プラセボ群(第 2 群),30 例をアデホビル 10 mg 1 日 1 回単独群(第 3 群)に割り付け,投与を 48 週間行い,さらに 24 週間追跡した.有効性エンドポイントは,HDV RNA の消失,アラニンアミノトランスフェラーゼ値の正常化,B 型肝炎表面抗原(HBsAg)濃度の低下などとした.

結 果

主要エンドポイントとした 48 週の時点でのアラニンアミノトランスフェラーゼ値正常化と HDV RNA 消失は第 1 群の 2 例と,第 2 群の 2 例で達成されたが,第 3 群では達成例はなかった.48 週の時点で,HDV RNA 陰性例の割合は,第 1 群で 23%,第 2 群で 24%,第 3 群で 0%であった(第 1 群と第 3 群の比較について P=0.006,第 2 群と第 3 群の比較について P=0.004).ペグインターフェロンα-2a の有効性は治療後 24 週間持続し,ペグインターフェロンα-2a+アデホビルまたはペグインターフェロンα-2a 単独の投与を受けた患者の 28%が HDV RNA 陰性であった.アデホビル単独の投与を受けた患者で HDV RNA 陰性例はなかった.ベースラインから 48 週までに HBsAg 濃度が 1 log10 IU/mL を超えて低下した患者は,第 1 群で 10 例,第 2 群で 2 例,第 3 群で 0 例であった(第 1 群と第 3 群の比較について P<0.001,第 1 群と第 2 群の比較について P=0.01).

結 論

アデホビル併用・非併用下でペグインターフェロンα-2a 投与を 48 週間行う治療により,HDV 感染患者の約 1/4 で持続的な HDV RNA 消失が得られた.(Hep-Net [ドイツウイルス性肝炎ネットワークオブエクセレンス] ほかから研究助成を受けた.Current Controlled Trials 番号:ISRCTN83587695)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 364 : 322 - 31. )