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日本語アブストラクト

January 27, 2011 Vol. 364 No. 4

妊娠第 1 期の中絶と精神疾患のリスク
Induced First-Trimester Abortion and Risk of Mental Disorder

T. Munk-Olsen and Others

背景

人工妊娠中絶は女性のメンタルヘルスに影響を及ぼす可能性が懸念されているが,中絶が後の精神疾患のリスク上昇に関連するかどうかは明らかにされていない.

方 法

住民ベースのコホート研究において,デンマーク住民登録システムの情報を,デンマーク精神疾患中央登録およびデンマーク全国患者登録と関連付けた.1995~2007 年に精神疾患の記録がなく,同期間の妊娠第 1 期に中絶したか,第 1 子を出産した女性のデータを用いた.中絶または出産後 12 ヵ月間以内になんらかの精神疾患で精神科を初診(入院または外来受診)する率を推定し,中絶または出産前の 9 ヵ月間と比較した.

結 果

はじめて中絶した女性 1,000 人年あたりの精神科初診率は,中絶前 14.6(95%信頼区間 [CI] 13.7~15.6),中絶後 15.2(95% CI 14.4~16.1)であった.第 1 子を出産した女性では,出産前 3.9(95% CI 3.7~4.2),出産後 6.7(95% CI 6.4~7.0)であった.精神科受診の相対リスクには,中絶後と中絶前とで有意差は認められなかったが(P=0.19),出産後は出産前と比べて有意に上昇した(P<0.001).

結 論

精神科受診率は妊娠第 1 期の中絶の前後で同程度であったことから,妊娠第 1 期での中絶後に精神疾患のリスクが上昇するという仮説は支持されない.(スーザン・トンプソン・バフェット財団,デンマーク医学研究評議会から研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 364 : 332 - 9. )