The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

March 10, 2011 Vol. 364 No. 10

2 型糖尿病患者における微量アルブミン尿発症の遅延または予防を目的としたオルメサルタン
Olmesartan for the Delay or Prevention of Microalbuminuria in Type 2 Diabetes

H. Haller and Others

背景

微量アルブミン尿は,糖尿病性腎症と早発性心血管疾患の早期予測因子である.アルブミン尿のみられない 2 型糖尿病患者を対象に,アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)による治療で微量アルブミン尿の発症が遅延または予防されるかどうかを検討した.

方 法

多施設共同無作為化二重盲検対照試験において,2 型糖尿病患者 4,447 例を,オルメサルタン投与群(40 mg 1 日 1 回)とプラセボ投与群のいずれかに割り付け,中央値で 3.2 年追跡した.血圧 130/80 mmHg 未満を目標として,(必要に応じて)降圧薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬と ARB を除く)を追加した.主要転帰は,微量アルブミン尿の初回発症までの期間とした.腎イベントおよび心血管イベント発生までの期間を副次的エンドポイントとして解析した.

結 果

目標血圧(130/80 mmHg 未満)はオルメサルタン群の約 80%,プラセボ群の 71%で達成された.診療所で測定された血圧は,オルメサルタン群のほうがプラセボ群より 3.1/1.9 mmHg 低かった.微量アルブミン尿は,オルメサルタン群の 8.2%(評価可能であった 2,160 例中 178 例),プラセボ群の 9.8%(2,139 例中 210 例)で発症した;発症までの期間はオルメサルタン群で 23%延長した(発症のハザード比 0.77,95%信頼区間 0.63~0.94,P=0.01).血清クレアチニン値は各群 1%で倍増した.非致死的心血管イベントが発生した患者はオルメサルタン群のほうがプラセボ群よりわずかに少なく,2,232 例中 81 例(3.6%)であったのに対し,プラセボ群では 2,215 例中 91 例(4.1%)であった(P=0.37).しかし,致死的心血管イベントが発生した患者はオルメサルタン群のほうが多く,15 例(0.7%)であったのに対し,プラセボ群では 3 例(0.1%)であった(P=0.01).この差は,冠動脈心疾患患者の心血管系死亡率が,オルメサルタン群のほうがプラセボ群より高いことに一部起因していた(564 例中 11 例 [2.0%] 対 540 例中 1 例 [0.2%],P=0.02).

結 論

現行の基準に基づく血圧コントロールは両群とも優れていたが,オルメサルタンでは微量アルブミン尿発症の遅延が認められた.冠動脈心疾患患者では,致死的心血管イベントの発生率がオルメサルタン群でより高かった点が懸念される.(第一三共社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00185159)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 364 : 907 - 17. )