The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

March 10, 2011 Vol. 364 No. 10

心房細動患者におけるイルベサルタン
Irbesartan in Patients with Atrial Fibrillation

The ACTIVE I Investigators

背景

心房細動患者の心血管イベントのリスクは高い.アンジオテンシン受容体拮抗薬イルベサルタンによって,このリスクが減少するかどうかを評価した.

方 法

脳卒中の危険因子の既往がある,収縮期血圧が 110 mmHg 以上の患者を,イルベサルタン目標用量 300 mg 1 日 1 回を投与する群と,二重盲検下でプラセボ投与を行う群のいずれかに無作為に割り付けた.これらの患者はすでに 2 つの試験(クロピドグレル+アスピリン併用とアスピリン単独の比較試験,またはクロピドグレル+アスピリン併用と経口抗凝固薬の比較試験)のうちの 1 つに登録されていた.第一の共通主要転帰は,脳卒中・心筋梗塞・血管系の原因による死亡とした.第二の共通主要転帰は,この複合転帰と心不全による入院とした.

結 果

9,016 例を登録し,平均 4.1 年追跡した.収縮期血圧低下の平均値はイルベサルタン群のほうがプラセボ群より 2.9 mmHg 大きく,拡張期血圧低下の平均値は 1.9 mmHg 大きかった.第一の共通主要転帰は,両群とも 100 人年あたり 5.4%で発生した(イルベサルタンのハザード比 0.99,95%信頼区間 [CI] 0.91~1.08,P=0.85).第二の共通主要転帰は,イルベサルタン群では 100 人年あたり 7.3%,プラセボ群では 100 人年あたり 7.7%で発生した(ハザード比 0.94,95% CI 0.87~1.02,P=0.12).心不全による初回入院(事前に規定した副次的転帰)の発生率は,イルベサルタン群では 100 人年あたり 2.7%,プラセボ群では 100 人年あたり 3.2%であった(ハザード比 0.86,95% CI 0.76~0.98).ベースラインで洞調律であった患者では,心房細動による入院,12 誘導心電図上の心房細動の予防におけるイルベサルタンの有益性は認められず,電話伝送によるモニタリングを受けたサブグループでも有益性は認められなかった.イルベサルタン群では,プラセボ群と比較して,症候性低血圧(127 例 対 64 例)と腎機能障害(43 例 対 24 例)がより多くみられた.

結 論

イルベサルタンによって心房細動患者の心血管イベントは減少しなかった.(Bristol-Myers Squibb 社,Sanofi-Aventis 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00249795)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 364 : 928 - 38. )