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September 29, 2011 Vol. 365 No. 13

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慢性閉塞性肺疾患における 1 秒量の経時的変化
Changes in Forced Expiratory Volume in 1 Second over Time in COPD

J. Vestbo and Others

背景

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の主な特徴は,1 秒量(FEV1)の低下率が速いことであるが,疾患が確立した患者における FEV1 の変化のばらつきと決定因子に関するデータは少ない.

方 法

患者 2,163 例の気管支拡張薬投与後の FEV1 の変化を 3 年にわたり解析した.ランダム係数モデルを用いて,FEV1 値とその経時的変化の両方を予測すると考えられる因子を評価した.

結 果

FEV1 変化率は平均(±SE)で 33±2 mL/年低下し,患者のあいだで有意なばらつきが認められた.低下率の患者間標準偏差は 59 mL/年であった.3 年の研究期間において,患者の 38%では FEV1 は 40 mL/年を超えて低下したと推定され,31%では 21~40 mL/年低下し,23%では 20 mL/年低下~20 mL/年上昇の範囲にあり,8%では 20 mL/年を超えて上昇した.FEV1 低下率の平均は,現在喫煙者では現在非喫煙者よりも 21±4 mL/年大きく,肺気腫患者では肺気腫でない患者よりも 13±4 mL/年大きく,気管支拡張薬による可逆性を認める患者では可逆性を認めない患者よりも 17±4 mL/年大きかった.

結 論

COPD 患者における FEV1 の変化率にはばらつきが大きく,現在喫煙者,気管支拡張薬による可逆性を認める患者,肺気腫患者では低下率が高くなる.(GlaxoSmithKline 社から研究助成を受けた.ECLIPSE ClinicalTrials.gov 番号:NCT00292552)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 365 : 1184 - 92. )