The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

Share

RSS

日本語アブストラクト

October 27, 2011 Vol. 365 No. 17

慢性閉塞性肺疾患における末梢気道閉塞と肺気腫
Small-Airway Obstruction and Emphysema in Chronic Obstructive Pulmonary Disease

J.E. McDonough and Others

背景

慢性閉塞性肺疾患(COPD)での主要な閉塞部位は末梢気道(直径 2 mm 未満)である.COPD における末梢気道閉塞と肺気腫性の組織破壊とのあいだに関連があるかどうかを検討した.

方 法

多列検出器型コンピュータ断層撮影(MDCT)を用いて,慢性閉塞性肺疾患に対するグローバルイニシアチブ(GOLD)尺度に基づくスコアリングで病期を分類した COPD 患者 78 例,肺移植を受けた COPD 患者の摘出肺,ドナー(対照)肺において,直径 2.0~2.5 mm の気道の数を比較した.マイクロ CT を用いて,肺気腫の程度(平均肺胞壁間距離),肺容積 1 mL あたりの終末細気管支の数,終末細気管支の最小径と断面積を測定した.

結 果

MDCT では,直径 2.0~2.5 mm の気道の数は,GOLD 分類 I 期(P=0.001),II 期(P=0.02),III 期または IV 期(P<0.001)の COPD 患者の検体のほうが,対照検体と比較して少なかった.IV 期の患者の摘出肺のマイクロ CT では,終末細気管支の総断面積の 81~99.7%の減少と,終末細気管支の数の 72~89%の減少が示された(P<0.001).肺気腫性の組織破壊(すなわち平均肺胞壁間距離の増加)の程度ごとに終末細気管支の数と大きさを比較すると,COPD では,肺気腫性の組織破壊が発生するよりも前に終末細気管支の狭窄と閉塞が起こっていることが示された(P<0.001).

結 論

これらの結果から,COPD で報告されている末梢気道抵抗の増加は,肺気腫性の組織破壊が発生するよりも前に起こる末梢気道の狭窄と閉塞によって説明される可能性があることが示された.(米国国立心臓・肺・血液研究所ほかから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 365 : 1567 - 75. )