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日本語アブストラクト

October 27, 2011 Vol. 365 No. 17

肛門ヒトパピローマウイルス感染と肛門上皮内腫瘍に対するヒトパピローマウイルスワクチン
HPV Vaccine against Anal HPV Infection and Anal Intraepithelial Neoplasia

J.M. Palefsky and Others

背景

肛門癌の発生率は男女ともに上昇しているが,とくに男性と性交渉をもつ男性で上昇している.肛門癌は,主に 16 型または 18 型のヒトパピローマウイルス(HPV)感染によって引き起こされるが,異型度の高い(グレード 2 または 3)肛門上皮内腫瘍が先行する.われわれは,男性と性交渉をもつ男性において,HPV 6 型,11 型,16 型,18 型感染に関連する肛門上皮内腫瘍に対する,4 価 HPV ワクチン(qHPV)の安全性と有効性を検討した.

方 法

大規模二重盲検試験の部分研究において,男性と性交渉をもつ 16~26 歳の健常男性 602 人を,qHPV 群とプラセボ群に無作為に割り付けた.主要有効性評価項目は HPV 6 型,11 型,16 型,18 型感染に関連する肛門上皮内腫瘍または肛門癌の予防とした.有効性解析は intention-to-treat 集団と per-protocol 有効性集団で行った.有害事象の発生率を報告した.

結 果

HPV 6 型,11 型,16 型,18 型のいずれかに関連する肛門上皮内腫瘍に対する qHPV ワクチンの有効率は,intention-to-treat 集団では 50.3%(95%信頼区間 [CI] 25.7~67.2),per-protocol 有効性集団では 77.5%(95% CI 39.6~93.3)であった.すべての HPV 型に関連する肛門上皮内腫瘍に対する有効率は,それぞれ 25.7%(95% CI -1.1~45.6),54.9%(95% CI 8.4~79.1)であった.100 人年あたりの肛門上皮内腫瘍発生率は,intention-to-treat 集団ではプラセボ群 17.5,ワクチン群 13.0 であり,per-protocol 有効性集団ではプラセボ群 8.9,ワクチン群 4.0 であった.HPV 6 型,11 型,16 型,18 型感染に関連するグレード 2 または 3 の肛門上皮内腫瘍発生率は,intention-to-treat 集団では 54.2%(95% CI 18.0~75.3),per-protocol 有効性集団では 74.9%(95% CI 8.8~95.4)低下した.HPV 6 型,11 型,16 型,18 型による肛門感染の持続リスクは,intention-to-treat 集団では 59.4%(95% CI 43.0~71.4),per-protocol 有効性集団では 94.9%(95% CI 80.4~99.4)減少した.ワクチンに関連する重篤な有害事象は報告されなかった.

結 論

qHPV ワクチン接種により,男性と性交渉をもつ男性における,グレード 2 または 3 を含む肛門上皮内腫瘍の発生率が低下した.このワクチンは安全性プロファイルが良好であり,肛門癌リスクの低減に役立つ可能性がある.(Merck 社,米国国立衛生研究所から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00090285)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 365 : 1576 - 85. )