The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

October 27, 2011 Vol. 365 No. 17

体重減少に対するホルモンの適応の長期持続
Long-Term Persistence of Hormonal Adaptations to Weight Loss

P. Sumithran and Others

背景

体重が減少すると,体重の恒常性調節に関与するいくつかの末梢ホルモンの血中濃度が変化する.これらの変化が一過性であるのか長期間持続するのかは,食事制限による減量後に高い割合で体重が再増加する原因を理解するうえで重要である可能性がある.

方 法

糖尿病ではない,過体重または肥満の患者 50 例を,超低エネルギー食を処方する 10 週間の減量プログラムに登録した.ベースライン(体重減少前),10 週(プログラム終了後),62 週の時点で,レプチン,グレリン,ペプチド YY,胃抑制ポリペプチド,グルカゴン様ペプチド 1,アミリン,膵ポリペプチド,コレシストキニン,インスリンの血中濃度と,主観的食欲評価について検討した.

結 果

体重減少(平均 [±SE] 13.5±0.5 kg)によって,レプチン,ペプチド YY,コレシストキニン,インスリン(すべての比較について P<0.001),アミリン(P=0.002)の濃度が有意に低下し,グレリン(P<0.001),胃抑制ポリペプチド(P=0.004),膵ポリペプチド(P=0.008)の濃度が上昇した.主観的食欲にも有意な増加が認められた(P<0.001).最初の体重減少から 1 年の時点で,ベースラインと比較して,レプチン(P<0.001),ペプチド YY(P<0.001),コレシストキニン(P=0.04),インスリン(P=0.01),グレリン(P<0.001),胃抑制ポリペプチド(P<0.001),膵ポリペプチド(P=0.002)の平均濃度と,空腹感(P<0.001)に,依然として有意差が認められた.

結 論

最初の体重減少から 1 年の時点で,食事制限による減量後の再増加を促進する食欲の血中メディエーターの濃度は,体重減少前に記録された値には戻らない.肥満の再発を予防するには,この変化に拮抗するための長期的戦略が必要と考えられる.(国立保健医療研究評議会ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00870259)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 365 : 1597 - 604. )