The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

December 1, 2011 Vol. 365 No. 22

C 型肝炎ウイルス誘発性血管炎における制御性 T 細胞の低用量インターロイキン-2 に対する反応
Regulatory T-Cell Responses to Low-Dose Interleukin-2 in HCV-Induced Vasculitis

D. Saadoun and Others

背景

C 型肝炎ウイルス(HCV)誘発性血管炎の患者では,制御性 T 細胞(Treg)の数が減少している.HCV の排除は,血管炎の治癒と Treg 数の回復に関連している.われわれは,Treg の生存と機能を促進するサイトカインの一つであるインターロイキン(IL)-2 が,HCV 療法に抵抗性を示す血管炎患者に有用ではないかと考えた.

方 法

前向き非盲検第 1/2a 相試験において,低用量 IL-2 投与の安全性と免疫学的効果を検討した.HCV 誘発性血管炎を有し,従来の抗ウイルス療法・リツキシマブ療法の一方あるいは両方に反応せず,グルココルチコイド療法と免疫抑制薬療法のいずれも受けていない患者 10 例に対し,5 日間の IL-2(150 万 IU/日)投与を 1 コース行ったあと,第 3,6,9 週に 5 日間の 300 万 IU/日投与を 3 コース行った.治療の安全性およびその効果の両方を検討した.効果は,Treg の反応と HCV 血管炎の臨床徴候のモニタリングにより評価した.

結 果

グレード 1 を超える有害事象はなかった.治療によって,エフェクター T 細胞の活性化,血管炎の増悪,HCV ウイルス血症の悪化は引き起こされなかった.10 例中 9 例でクリオグロブリン血症の軽減,8 例で血管炎の改善が認められた.低用量 IL-2 の投与後,全例で強力な抑制作用をもつ CD4+,CD25high,フォークヘッドボックス P3(FOXP3+)Treg の割合が上昇し [Emax(最大値)÷ベースライン値×100=420%],同時に辺縁帯 B 細胞の割合が低下した.末梢血単核球のトランスクリプトーム解析により,IL-2 は,炎症性メディエータや酸化ストレスメディエータのシグネチャーを全体的に弱めることが明らかになった.

結 論

自己免疫疾患の一つである HCV 誘発性血管炎の患者において,低用量 IL-2 は,有害作用を伴わずに,Treg の回復とそれに付随する臨床症状の改善をもたらすことが示された.(フランス国立エイズ・ウイルス性肝炎研究機関ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00574652)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 365 : 2067 - 77. )