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日本語アブストラクト

December 8, 2011 Vol. 365 No. 23

内科疾患患者の血栓予防におけるアピキサバンとエノキサパリンの比較
Apixaban versus Enoxaparin for Thromboprophylaxis in Medically Ill Patients

S.Z. Goldhaber and Others

背景

内科疾患患者の退院後に,静脈血栓塞栓症予防を延長することの有効性と安全性はまだ明らかにされていない.われわれは,アピキサバン(apixaban)を用いた長期予防は,エノキサパリンを用いた短期予防よりも安全かつ効果的であるという仮説を立てた.

方 法

二重盲検ダブルダミープラセボ対照試験において,うっ血性心不全または呼吸不全,あるいはそれ以外の内科疾患の急性期患者で,そのほかに静脈血栓塞栓症の危険因子を 1 つ以上有し,入院予定期間が 3 日間以上であった患者を対象として,アピキサバン 2.5 mg を 1 日 2 回 30 日間経口投与する群と,エノキサパリン 40 mg を 1 日 1 回 6~14 日間皮下投与する群に無作為に割り付けた.有効性の主要転帰は,静脈血栓塞栓症に関連した死亡,肺塞栓症,症候性の深部静脈血栓症,30 日目に行った体系的な両側圧迫超音波検査で検出された無症候性の近位下肢深部静脈血栓症から成る 30 日後の複合転帰とした.安全性の主要転帰は出血とした.有効性転帰と安全性転帰はすべて独立に判定した.

結 果

6,528 例を無作為化し,うち 4,495 例で有効性の主要転帰を評価しえた.内訳はアピキサバン群 2,211 例,エノキサパリン群 2,284 例であった.評価しえた患者のうち,アピキサバン群の 2.71%(60 例)とエノキサパリン群の 3.06%(70 例)が有効性の主要転帰の基準を満たした(アピキサバンの相対リスク 0.87,95%信頼区間 [CI] 0.62~1.23,P=0.44).30 日目までに,重大な出血がアピキサバン群の 0.47%(3,184 例中 15 例)とエノキサパリン群の 0.19%(3,217 例中 6 例)に認められた(相対リスク 2.58,95% CI 1.02~7.24,P=0.04).

結 論

内科疾患患者に対するアピキサバンを用いた血栓予防の長期コースは,エノキサパリンを用いたより短期のコースと比較して優位性を示さなかった.アピキサバンは,エノキサパリンと比較して重大な出血イベントが有意に多いことと関連していた.(Bristol-Myers Squibb 社,Pfizer 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00457002)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 365 : 2167 - 77. )