The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

December 8, 2011 Vol. 365 No. 23

早期多発性硬化症における炎症性の皮質脱髄
Inflammatory Cortical Demyelination in Early Multiple Sclerosis

C.F. Lucchinetti and Others

背景

多発性硬化症の病態発生における重要な一側面として皮質疾患が浮上しており,疾患の進行,認知機能障害との関連が示されている.皮質病変に関する研究のほとんどは,罹病期間の長い慢性進行性多発性硬化症患者の剖検所見を主に検討しており,これらの病変は非炎症性であることが強調されている.MRI を用いた研究では,皮質の損傷は疾患の早期に起こることが示唆されている.

方 法

多発性硬化症患者において,脱髄性の皮質病変の有病率と特徴を評価した.白質病変の生検標本を採取する際に皮質組織を採取した.ほとんどの症例で,腫瘍の疑いを診断する目的で生検は定位的に行われた.十分な皮質が採取された患者(スクリーニングを行った 563 例中 138 例)を対象に皮質脱髄を評価した.免疫組織化学染色により,脱髄活性,炎症性浸潤,髄膜炎症の存在,皮質脱髄と髄膜炎症とのあいだの局所的関連について皮質病変の特徴を明らかにした.最終追跡調査時(中央値 3.5 年の時点)に,患者 77 例(56%)のサブグループで診断を確認した.

結 果

皮質脱髄は 53 例(38%)(104 病変,組織ブロック 222 個)に認められ,85 例(組織ブロック 121 個)には認められなかった.多発性硬化症は,皮質脱髄が認められた 25 例(長期追跡を受けた 31 例の 81%)と,皮質脱髄が認められなかった 33 例(長期追跡を受けた 46 例の 72%)で確定診断された.代表的な組織において,71 病変中 58 病変(82%)に CD3+T 細胞浸潤,78 病変中 32 病変(41%)にマクロファージに関連する脱髄が認められた.検査に十分な髄膜組織が採取された患者において,髄膜炎症は皮質脱髄と局所的に関連していた.

結 論

早期多発性硬化症患者から成るこのコホート集団において,皮質の脱髄性病変は頻度が高く,炎症性で,髄膜炎症と強い関連を示した.(米国国立多発性硬化症協会,米国国立衛生研究所から研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 365 : 2188 - 97. )