The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

August 4, 2011 Vol. 365 No. 5

2009 年のウィスコンシン州とミネソタ州における 新たな病原性エーリキア種の出現
Emergence of a New Pathogenic Ehrlichia Species, Wisconsin and Minnesota, 2009

B.S. Pritt and Others

背景

エーリキア症は,臨床的に重要な新興人獣共通感染症である.米国でヒトにエーリキア症を引き起こすのは,Ehrlichia chaffeensisE. ewingii のみであると考えられてきた.エーリキア症が疑われる患者には,適切な検査による診断と原因の確認のための検査がルーチンに行われる.

方 法

分子学的手法,培養,血清学的検査を用いて,エーリキア症の症例の診断と原因の確認を行った.

結 果

ミネソタ州またはウィスコンシン州のエーリキア症の 4 症例は,E. chaffeensisE. ewingii ではなく,新たに発見されたエーリキア種に起因したものであったことが,検査で明らかとなった.全例で発熱,倦怠感,頭痛,リンパ球減少が認められ,血小板減少が 3 例に,肝酵素上昇が 2 例に認められた.ドキシサイクリン投与により全例が回復した.ミネソタ州またはウィスコンシン州で採集されたシカダニ(Ixodes scapularis)697 匹のうち,少なくとも 17 匹がポリメラーゼ連鎖反応(PCR)検査で同じエーリキア種について陽性であった.遺伝子解析から,この新たなエーリキア種は E. muris と近縁であることが明らかとなった.

結 論

われわれは,ミネソタ州とウィスコンシン州の新たなエーリキア種について報告し,それを裏付ける臨床,疫学,培養,DNA 配列,媒介生物に関するデータを示した.適切な検査,治療,地域サーベイランスを確実に行うために,医師は今回新たに発見された E. muris に近縁の種について知っておく必要がある.(米国国立衛生研究所,米国疾病対策予防センターから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 365 : 422 - 9. )