The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

September 1, 2011 Vol. 365 No. 9

院外心停止患者に対する調律解析:早期施行と待期的施行との比較
Early versus Later Rhythm Analysis in Patients with Out-of-Hospital Cardiac Arrest

I.G. Stiell and Others

背景

米国心臓協会国際蘇生連絡協議会の 2005 年蘇生ガイドラインは,ただちに除細動を行うというこれまでの戦略から離れて,救急隊員は最初の心調律の解析を行う前に,心肺蘇生(CPR)を 2 分間行ってもよいとしている.CPR 時間を短くし早期に調律解析を行う戦略と,CPR をより長く行い待期的に調律解析を行う戦略とを比較した.

方 法

米国とカナダにある蘇生転帰コンソーシアムの 10 施設で,院外心停止を起こした成人を対象としたクラスター無作為化試験を行った.早期解析群には救急隊員が CPR を 30~60 秒実施後最初の心電図解析を行い,待期的解析群には CPR を 180 秒実施後最初の心電図解析を行った.主要転帰は,十分な機能状態(修正 Rankin スケール [0~6 で,スコアが高いほど障害が大きいことを示す] で 3 以下)での生存退院とした.

結 果

対象とした 9,933 例のうち,5,290 例を心調律の早期解析群に,4,643 例を待期的解析群に割り付けた.主要転帰の基準を満たした患者は,待期的解析群では 273 例(5.9%),早期解析群では 310 例(5.9%)であり,クラスター補正後の差は -0.2 パーセントポイント(95%信頼区間 -1.1~0.7,P=0.59)であった.交絡因子で補正したデータ解析,ならびにサブグループ解析では,いずれの群にも生存上の利益は認められなかった.

結 論

院外心停止患者において,最初の心調律の解析前に救急隊員が行う CPR の時間は,長くしても短くしても転帰に差は認められなかった.(米国国立心臓・肺・血液研究所ほかから研究助成を受けた.ROC PRIMED ClinicalTrials.gov 番号:NCT00394706)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 365 : 787 - 97. )