March 29, 2012 Vol. 366 No. 13
2 型糖尿病を有する肥満成人における生活習慣の変化と運動能
Lifestyle Change and Mobility in Obese Adults with Type 2 Diabetes
W.J. Rejeski and Others
2 型糖尿病を有する成人は年齢とともに運動能に制限がかかってくることが多い.体重減少と体力増進のための集中的生活習慣介入は,このような患者の運動能の喪失を遅らせる可能性がある.
2 型糖尿病を有する 45~74 歳の過体重または肥満の成人 5,145 例を,集中的生活習慣介入を行う群と,糖尿病支援・教育プログラムを行う群のいずれかに無作為に割り付けた.参加者 5,016 例のデータが得られた.隠れマルコフモデルを用いて障害の状態を明らかにし,混合効果順序ロジスティック回帰を用いて機能低下の確率を推定した.主要転帰は年 1 回の自己報告による運動能の制限とし,4 年間評価した.
4 年の時点で,生活習慣介入群 2,514 例のうち,517 例(20.6%)が重度の障害を有し,969 例(38.5%)で運動能が良好であった.支援群の 2,502 例では,それぞれ 656 例(26.2%)と 798 例(31.9%)であった.生活習慣介入群は,支援群と比較して運動能喪失の相対リスク減少率は 48%であった(オッズ比 0.52,95%信頼区間 0.44~0.63,P<0.001).体重減少と体力増進(トレッドミル試験により評価)はいずれもこの効果の有意なメディエーターであった(両評価項目について P<0.001).生活習慣介入に関連する有害事象は,1 年の時点での筋骨格系症状の頻度がわずかに高いことなどであった.
体重減少と体力増進により,2 型糖尿病の過体重成人における運動能低下が遅くなった.(米国保健福祉省ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00017953)