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日本語アブストラクト

March 29, 2012 Vol. 366 No. 13

HLA クラス II 遺伝子座と象皮病に対する感受性
HLA Class II Locus and Susceptibility to Podoconiosis

F. Tekola Ayele and Others

背景

象皮病(podoconiosis)は,火山岩に由来する赤色粘土質土壌に素足が長期間曝露されることによって起こる熱帯性のリンパ浮腫である.世界保健機関(WHO)は最近,象皮病を「顧みられない熱帯病」に認定した.発症するのは曝露された人々のなかの一部であり,研究によって高い遺伝率(63%)で家族内集積することが示されている.

方 法

エチオピア南部の症例 194 例と対照 203 例を対象としたゲノムワイド関連解析を行った.結果の検証を,親子 3 人 202 組に関する家族ベースの関連検査と,症例 94 例と対照 94 例の HLA タイピングにより行った.

結 果

HLA-DQA1 遺伝子座から 5.8 kb の位置にある一塩基多型(SNP)rs17612858 と象皮病とのあいだにゲノムワイドに有意な関連が見出され(対立遺伝子モデルでのオッズ比 2.44,95%信頼区間 [CI] 1.82~3.26,P=1.42×10-9,相加的モデルでのオッズ比 2.19,95% CI 1.66~2.90,P=3.44×10-8),そのほかに,HLA-DQB1HLA-DQA1HLA-DRB1 の内部または近傍にある 7 つの SNP とのあいだに示唆的な関連(P<1.0×10-5)が見出された.家族ベースの関連検査を用いてこれらの関連を確認した.HLA タイピングでは,対立遺伝子 HLA-DRB10701(オッズ比 2.00),DQA10201(オッズ比 1.91),DQB10202(オッズ比 1.79)と,ハプロタイプ HLA-DRB10701-DQB10202(オッズ比 1.92)が,象皮病のリスクに関連する変異体であることが示された.

結 論

HLA クラス II 遺伝子座の変異体と象皮病(非伝染病)とのあいだに関連がみられたことから,この病態は T 細胞を介した炎症性疾患である可能性があり,その他の複雑な遺伝性疾患に関連している可能性のある遺伝子-環境相互作用のモデルであることが示唆される.(Wellcome Trust ほかから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2012; 366 : 1200 - 8. )