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March 29, 2012 Vol. 366 No. 13

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慢性尋常性乾癬に対する抗インターロイキン-17 モノクローナル抗体イクセキズマブ
Anti–Interleukin-17 Monoclonal Antibody Ixekizumab in Chronic Plaque Psoriasis

C. Leonardi and Others

背景

17 型ヘルパー T 細胞は,乾癬の病理に重要な役割をもつことが示唆されている.これらの T 細胞は,インターロイキン(IL)-17A(IL-17 としても知られる)など,いくつかの炎症性サイトカインを分泌する.ヒト化抗 IL-17 モノクローナル抗体イクセキズマブ(ixekizumab)(LY2439821)の,乾癬治療における安全性と有効性を評価した.

方 法

第 2 相二重盲検プラセボ対照試験において,中等症~重症の慢性尋常性乾癬患者 142 例を,イクセキズマブ 10 mg 群,25 mg 群,75 mg 群,150 mg 群,プラセボ群のいずれかに無作為に割り付け,0週,2 週,4 週,8 週,12 週,16 週目に皮下注射を行った.主要エンドポイントは,12 週時点で乾癬の面積・重症度指数(PASI)スコアが 75%以上低下した患者の割合とした.副次的エンドポイントは,PASI スコアが 90%以上低下,または 100%低下した患者の割合などとした.

結 果

12 週時点で,PASI スコアが 75%以上低下した患者の割合は,イクセキズマブ 150 mg 群 82.1%,75 mg 群 82.8%,25 mg 群 76.7%で,最低用量である 10 mg 群を除き,イクセキズマブ群はプラセボ群(7.7%)よりも有意に大きく(各比較について P<0.001),PASI スコアが 90%以上低下した患者の割合も,150 mg 群 71.4%,75 mg 群 58.6%,25 mg 群 50.0%で,プラセボ群(0%)よりも有意に大きかった(各比較について P<0.001).同様に,PASI スコアの 100%低下が達成された患者も,150 mg 群 39.3%,75 mg 群 37.9%で,プラセボ群(0%)よりも有意に多かった(両比較について P<0.001).有意差は 1 週時点で認められ,20 週間持続した.有害事象はイクセキズマブの 4 群,プラセボ群でそれぞれ 63%に発生した.重篤な有害事象や重大な心血管イベントは認められなかった.

結 論

ヒト化抗 IL-17 モノクローナル抗体イクセキズマブにより,乾癬の臨床症状が改善した.乾癬患者における長期的な安全性と有効性を確立するために,さらなる研究が必要である.(Eli Lilly 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT01107457)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2012; 366 : 1190 - 9. )