The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

April 19, 2012 Vol. 366 No. 16

筋層浸潤性膀胱癌に対する化学療法併用放射線療法と放射線療法単独との比較
Radiotherapy with or without Chemotherapy in Muscle-Invasive Bladder Cancer

N.D. James and Others

背景

筋層浸潤性膀胱癌患者において,放射線療法は膀胱切除術の代替療法の一つである.他の部位の癌では,同時化学放射線療法によって,放射線療法単独と比較して局所制御率が上昇し,生存率が改善している.

方 法

多施設共同第 3 相試験において,筋層浸潤性膀胱癌患者 360 例を,放射線療法に化学療法を併用する群と放射線療法を単独で行う群に無作為に割り付けた.化学療法レジメンは,放射線分割照射の 1~5 回目と 16~20 回目のフルオロウラシル(500 mg/m2 体表面積/日)投与と,1 日目のマイトマイシン C(12 mg/m2)投与とした.部分的な 2×2 要因デザインにより,患者をさらに,全膀胱照射群と照射体積調整(総線量を照射する膀胱体積を小さくする)群に無作為に割り付けた(結果は本稿では報告しない).主要評価項目は局所無再発生存とした.副次的評価項目は全生存,毒性作用などとした.

結 果

2 年の時点で,局所無再発生存率は,化学放射線療法群で 67%(95%信頼区間 [CI] 59~74),放射線療法群で 54%(95% CI 46~62)であった.追跡期間中央値 69.9 ヵ月で,化学放射線療法群のハザード比は 0.68(95% CI 0.48~0.96)であった(P=0.03).5 年全生存率は,化学放射線療法群で 48%(95% CI 40~55),放射線療法群で 35%(95% CI 28~43)であった(ハザード比 0.82,95% CI 0.63~1.09,P=0.16).グレード 3 または 4 の有害事象は,治療期間中は化学放射線療法群のほうが放射線療法群よりもわずかに多かったが(36.0% 対 27.5%,P=0.07),追跡期間中は多くはなかった(8.3% 対 15.7%,P=0.07).

結 論

フルオロウラシルとマイトマイシン C を用いた同時化学療法を放射線療法と併用することにより,放射線療法単独と比較して,膀胱癌の局所制御が有意に改善し,有害事象の有意な増加は認められなかった.(英国がん研究所から研究助成を受けた.BC2001 Current Controlled Trials 番号:ISRCTN68324339)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2012; 366 : 1477 - 88. )