The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

February 16, 2012 Vol. 366 No. 7

病院到着前のてんかん重積状態に対する筋肉内療法と静脈内療法との比較
Intramuscular versus Intravenous Therapy for Prehospital Status Epilepticus

R. Silbergleit and Others

背景

持続性の発作は,ベンゾジアゼピン系薬の静脈内投与により早期に停止させることで転帰が改善する.より迅速かつ確実に投与するために,救急救命士は筋肉内経路を用いるようになってきている.

方 法

二重盲検無作為化非劣性試験において,救急救命士の処置を受けたてんかん重積状態の小児と成人を対象に,ミダゾラム筋肉内投与の有効性とロラゼパム静脈内投与の有効性を比較した.痙攣が 5 分を超えて持続し,救急救命士の到着後も持続していた患者に対して,筋肉内自動注射装置または点滴静注のいずれかにより試験薬を投与した.主要転帰は,救済治療を行う必要がなく救急部への到着時点で発作がみられないこととした.副次的転帰は,気管内挿管,発作の再発,痙攣発作停止との関係でみた治療開始のタイミングとなどとした.この試験では,10 パーセントポイントのマージンでミダゾラム筋肉内投与がロラゼパム静脈内投与に対して非劣性であるという仮説を検証した.

結 果

救急部への到着時点で,救済治療を行わなくとも発作がみられなかったのは,ミダゾラム筋肉内投与群では 448 例中 329 例(73.4%),ロラゼパム静脈内投与群では 445 例中 282 例(63.4%)であった(絶対差 10 パーセントポイント,95%信頼区間 4.0~16.1,非劣性と優越性の両方について P<0.001).気管内挿管の必要性(ミダゾラム筋肉内投与群では 14.1%,ロラゼパム静脈内投与群では 14.4%)と発作の再発(それぞれ 11.4%,10.6%)については両群で同程度であった.救急部への到着前に発作が停止した患者では,実薬投与までの時間の中央値は,ミダゾラム筋肉内投与群で 1.2 分,ロラゼパム静脈内投与群で 4.8 分であり,実薬投与から痙攣停止までの時間の中央値はそれぞれ 3.3 分,1.6 分であった.有害事象の発生率は両群で同程度であった.

結 論

てんかん重積状態の患者に対する病院到着前のミダゾラム筋肉内投与は,発作の停止においてロラゼパム静脈内投与と安全性と有効性が少なくとも同等である.(米国国立神経疾患・脳卒中研究所ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00809146)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2012; 366 : 591 - 600. )