The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

February 16, 2012 Vol. 366 No. 7

癌に対する化学療法を受けている患者の血栓予防におけるセムロパリン
Semuloparin for Thromboprophylaxis in Patients Receiving Chemotherapy for Cancer

G. Agnelli and Others

背景

癌に対する化学療法を受けている患者は静脈血栓塞栓症のリスクが高い.少数のデータから,抗血栓薬による予防の臨床上の有益性が支持されている.

方 法

二重盲検多施設共同試験において,癌に対する化学療法を受けている患者の静脈血栓塞栓症予防における,超低分子ヘパリンであるセムロパリン(semuloparin)の有効性と安全性を評価した.転移性または局所進行性の固形腫瘍を有し,化学療法を開始する患者を,化学療法のレジメンが変更されるまでセムロパリン 20 mg を 1 日 1 回皮下投与する群と,プラセボを投与する群に無作為に割り付けた.主要有効性転帰は,あらゆる症候性深部静脈血栓症,あらゆる非致死的肺塞栓症,静脈血栓塞栓症に関連した死亡の複合とした.臨床的に意義のある出血(重大な出血,および重大ではないが臨床的に意義のある出血)を主な安全性転帰とした.

結 果

投与期間の中央値は 3.5 ヵ月であった.静脈血栓塞栓症は,セムロパリン群では 1,608 例中 20 例(1.2%)で発生したのに対し,プラセボ群では 1,604 例中 55 例(3.4%)で発生した(ハザード比 0.36,95%信頼区間 [CI] 0.21~0.60,P<0.001).癌の原発部位と病期,およびベースラインの静脈血栓塞栓症リスクで規定されたサブグループにおいても一貫した有効性が認められた.臨床的に意義のある出血の発生率は,セムロパリン群 2.8%,プラセボ群 2.0%であった(ハザード比 1.40,95% CI 0.89~2.21).重大な出血は,セムロパリン群では 1,589 例中 19 例(1.2%),プラセボ群では 1,583 例中 18 例(1.1%)で発生した(ハザード比 1.05,95% CI 0.55~1.99).その他の有害事象全体の発生率は 2 群で同程度であった.

結 論

セムロパリンにより,癌に対する化学療法を受けている患者の血栓塞栓イベントの発生率は低下し,重大な出血の明らかな増加は認められなかった.(Sanofi 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00694382)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2012; 366 : 601 - 9. )