The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

September 27, 2012 Vol. 367 No. 13

標準併用療法ではコントロール不良な喘息に対するチオトロピウム
Tiotropium in Asthma Poorly Controlled with Standard Combination Therapy

H.A.M. Kerstjens and Others

背景

喘息患者のなかには,吸入グルココルチコイドと長時間作用性 β 刺激薬(LABA)による治療にもかかわらず,増悪を繰り返し,気流閉塞が持続する例がある.

方 法

吸入グルココルチコイドと LABA を投与されている喘息患者 912 例を対象とした 2 件の再現性無作為化対照試験において,チオトロピウム(総投与量 5 μg)またはプラセボの追加が,肺機能と増悪に及ぼす影響を比較した.いずれも,ソフトミスト吸入器により 1 日 1 回,48 週間投与した.全例に症状がみられ,気管支拡張薬投与後の 1 秒量(FEV1)が予測値の 80%以下であり,過去 1 年間に少なくとも 1 回の重度増悪の既往があった.

結 果

患者のベースラインの平均 FEV1 は予測値の 62%,平均年齢は 53 歳であった.24 週の時点で,ピーク FEV1 のベースラインからの変化の平均(±SE)は,両試験においてチオトロピウム群のほうがプラセボ群よりも大きく,その差は試験 1 では 86±34 mL(P=0.01),試験 2 では 154±32 mL(P<0.001)であった.投与前(トラフ)FEV1 も,試験 1 と試験 2 ともに,チオトロピウム群のほうがプラセボ群よりも改善し,その差はそれぞれ 88±31 mL(P=0.01),111±30 mL(P<0.001)であった.チオトロピウムの追加により,重度増悪の初回発生までの期間が延長し(282 日 対 226 日),重度増悪のリスクは全体で 21%低下した(ハザード比 0.79,P=0.03).死亡例はなく,有害事象は 2 群で同様であった.

結 論

吸入グルココルチコイドと LABA の投与にもかかわらずコントロール不良な喘息患者において,チオトロピウムの追加により,重度増悪の初回発生までの期間が有意に延長し,持続的な気管支拡張がわずかに得られた.(Boehringer Ingelheim 社,Pfizer 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00772538,NCT00776984)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2012; 367 : 1198 - 207. )