The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

July 12, 2012 Vol. 367 No. 2

重症敗血症に対するヒドロキシエチルデンプン130/0.4 と酢酸リンゲル液との比較
Hydroxyethyl Starch 130/0.4 versus Ringer's Acetate in Severe Sepsis

A. Perner and Others

背景

ヒドロキシエチルデンプン(HES)130/0.4 は,集中治療室(ICU)で輸液蘇生に広く用いられているが,重症敗血症患者における安全性と有効性はまだ確立されていない.

方 法

多施設共同並行群間比較盲検試験において,重症敗血症患者を,ICU での輸液蘇生に 6% HES 130/0.4 を用いる群と酢酸リンゲル液を用いる群に無作為に割り付けた.最大投与量は 33 mL/kg 標準体重/日とした.主要転帰指標は,無作為化後 90 日の時点での死亡または末期腎不全(透析依存)とした.

結 果

無作為化した 804 例のうち,798 例を修正 intention-to-treat 集団に組み入れた.2 つの介入群の患者背景は類似していた.無作為化後 90 日の時点で,HES 130/0.4 群では 398 例中 201 例(51%)が死亡していたのに対し,酢酸リンゲル液群では 400 例中 172 例(43%)が死亡していた(相対リスク 1.17,95%信頼区間 [CI] 1.01~1.36,P=0.03).各群 1 例が末期腎不全を呈した.90 日間で,腎代替療法を受けた患者は,HES 130/0.4 群では 87 例(22%)であったのに対し,酢酸リンゲル液群では 65 例(16%)であった(相対リスク 1.35,95% CI 1.01~1.80,P=0.04).重度の出血を起こした患者はそれぞれ 38 例(10%),25 例(6%)であった(相対リスク 1.52,95% CI 0.94~2.48,P=0.09).これらの結果は,ベースラインでの死亡・急性腎障害の既知の危険因子について補正した多変量解析により支持された.

結 論

HES 130/0.4 を用いた輸液蘇生に割り付けられた重症敗血症患者では,酢酸リンゲル液が用いられた患者と比較して,90 日の時点での死亡リスクが上昇し,腎代替療法を必要とする割合が高かった.(デンマーク研究評議会ほかから研究助成を受けた.6S ClinicalTrials.gov 番号:NCT00962156)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2012; 367 : 124 - 34. )