The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

July 12, 2012 Vol. 367 No. 2

臓器移植片対宿主病に対するリンパ球走化性の遮断
Blockade of Lymphocyte Chemotaxis in Visceral Graft-versus-Host Disease

R. Reshef and Others

背景

移植片対宿主病(GVHD)は,同種造血幹細胞移植(HSCT)の成功を阻む重大な障害となっている.ケモカイン受容体 CCR5 が同種反応性に関与していると考えられる.われわれは,CCR5 の遮断がヒトにおいて安全であるのかどうか,また GVHD を抑制するのかどうかを検討した.

方 法

CCR5 拮抗薬マラビロクのリンパ球の機能と走化性に対する in vitro 効果を検討した.続いて,マラビロクと標準的な GVHD 予防法を併用して行う骨髄非破壊的同種 HSCT の単群第 1/2 相試験に,高リスク患者 38 例を登録した.

結 果

マラビロクは,T 細胞の機能を障害したり造血細胞のコロニー形成を阻害したりすることなく,in vitro で CCR5 の内部移行とリンパ球の走化性を阻害した.評価しえた 35 例では,グレード II~IV の急性 GVHD の累積発生率(±SE)は低く,100 日目に 14.7±6.2%,180 日目に 23.6±7.4%であった.急性肝 GVHD ・消化管 GVHD は 100 日目まで認められず,180 日目まで頻度は低く,結果,180 日目のグレード III または IV の GVHD の累積発生率は低かった(5.9±4.1%).1 年時点の無再発死亡率は 11.7±5.6%で,再発率・感染率は予測の範囲を超えなかった.マラビロク投与患者の血清は,in vitro で CCL5 による CCR5 内部移行を阻止し,T 細胞走化性を遮断したことから,抗走化作用の根拠が示された.

結 論

この試験では,リンパ球輸送の阻害は臓器急性 GVHD に特異的であり,予防に有効な可能性のある,新たな戦略であることが示された.(Pfizer 社ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00948753)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2012; 367 : 135 - 45. )