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October 4, 2012 Vol. 367 No. 14

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ゲノム疾患の表現型の異質性とまれなコピー数多型
Phenotypic Heterogeneity of Genomic Disorders and Rare Copy-Number Variants

S. Girirajan and Others

背景

コピー数多型のなかには,表現型が極度に異質なゲノム疾患と関連しているものがある.このような変異の原因は不明であり,遺伝子診断,カウンセリング,管理における課題となっている.

方 法

知的障害や先天異常と関連するコピー数多型を有することが判明している小児 2,312 例のゲノムを,アレイ比較ゲノムハイブリダイゼーションを用いて解析した.

結 果

コピー数多型を有する小児の 10.1%が,主要な遺伝子障害のほかに,別の大規模なコピー数多型を有していた.それぞれ 1 種類の特異的コピー数多型によって定義される 7 種類の遺伝子疾患を同定したが,それらに罹患した児は,複数のコピー数多型を有する確率が対照よりも高かった.コピー数多型の合計数と,その多型が遺伝性か新規発生(de novo)かに基づいて,症候性疾患と極度の異質性を有する疾患とを区別できることが見出された.臨床的意義が不明の大規模なコピー数多型を 2 つ有する小児は,発達遅滞となる可能性が対照の 8 倍高かった(オッズ比 8.16,95%信頼区間 5.33~13.07,P=2.11×10-38).コピー数多型を有する小児では,遺伝性のコピー数多型が,別の位置の大規模なコピー数多型と同時に生じている傾向がみられた(Spearman の相関係数 0.66,P<0.001).男児は女児よりも表現型に異質性のある疾患を有する可能性が高く(P<0.001),母親の別の位置のコピー数多型は父親よりも子に遺伝する可能性が高かった(P=0.02).

結 論

病原としての意義が不明なものを含む,複数の大規模なコピー数多型が組み合わさることで重度の臨床症状が発現し,別の位置のコピー数多型は,それを有する母親から高頻度に遺伝する.(サイモンズ財団自閉症研究イニシアチブ,米国国立衛生研究所から研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2012; 367 : 1321 - 31. )