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October 11, 2012 Vol. 367 No. 15

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砂糖入り飲料と肥満の遺伝的リスク
Sugar-Sweetened Beverages and Genetic Risk of Obesity

Q. Qi and Others

背景

砂糖入り飲料の消費の経時的な増加に並行して肥満の有病率が上昇しているが,砂糖入り飲料の摂取が肥満の遺伝的素因と交互作用するかどうかは明らかにされていない.

方 法

看護師健康調査(NHS)の女性 6,934 人のコホートと医療従事者追跡調査(HPFS)の男性 4,423 人のコホートを用いて,遺伝的素因と砂糖入り飲料摂取との交互作用を,体格指数(BMI,体重 [kg]/身長 [m]2)および肥満リスクとの関連から解析し,さらに,女性のゲノム健康調査(WGHS)の 21,740 人の再現コホートで解析した.BMI に関連する 32 個の遺伝子座に基づいて,遺伝的素因スコアを算出した.砂糖入り飲料の摂取と BMI との関連を前向きに調査した.

結 果

NHS コホートと HPFS コホートにおいて,BMI との遺伝的関連は,砂糖入り飲料の摂取量が多い参加者のほうが摂取量が少ない参加者よりも強かった.両コホートを合わせて,リスク対立遺伝子 10 個増加あたりの BMI の増加は,摂取量が月に 1 杯未満で 1.00,月に 1~4 杯で 1.12,週に 2~6 杯で 1.38,1 日に 1 杯以上で 1.78 であった(交互作用について P<0.001).同じ摂取量カテゴリーについて,リスク対立遺伝子 10 個増加あたりの新規肥満の相対リスクは,それぞれ 1.19(95%信頼区間 [CI] 0.90~1.59),1.67(95% CI 1.28~2.16),1.58(95% CI 1.01~2.47),5.06(95% CI 1.66~15.5)であった(交互作用について P=0.02).WGHS コホートでは,リスク対立遺伝子 10 個増加あたりの BMI の増加は,4 つの摂取量カテゴリーでそれぞれ 1.39,1.64,1.90,2.53 であり(交互作用について P=0.001),新規肥満の相対リスクは,1.40(95% CI 1.19~1.64),1.50(95% CI 1.16~1.93),1.54(95% CI 1.21~1.94),3.16(95% CI 2.03~4.92)であった(交互作用について P=0.007).

結 論

砂糖入り飲料の摂取と肥満との遺伝的関連は,摂取量が多いほど顕著になると思われた.(米国国立衛生研究所ほかから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2012; 367 : 1387 - 96. )