November 1, 2012 Vol. 367 No. 18
アタマジラミの治療のための局所 0.5%イベルメクチンローション
Topical 0.5% Ivermectin Lotion for Treatment of Head Lice
D.M. Pariser and Others
アタマジラミ症の公衆衛生問題は,治療抵抗性の出現によって複雑になり,新規治療の継続的な開発の必要性に駆られる.イベルメクチンの局所殺シラミ薬としての活性に関するデータは限られている.
2 件の多施設共同無作為化二重盲検試験において,生後 6 ヵ月以上の患者を対象に,シラミ用梳き櫛を用いずに駆除するために,単回塗布の 0.5%イベルメクチンローションと溶媒対照とを比較した.局所イベルメクチンまたは溶媒対照のチューブ 1 本を第 1 日目に処方し,乾いた髪に塗布し,10 分置いたあと,水で洗い流すよう指示した.主要エンドポイントは,intention-to-treat 集団における,治療後 1 日目(第 2 日目)にシラミが認められず,第 8 日目,第 15 日目も認められなかった指標患者(生きたシラミが 3 匹以上認められた,家族内での最年少患者)の割合とした.
765 例が試験を完了した.intention-to-treat 集団において,シラミが認められなかった患者は,第 2 日目,第 8 日目,第 15 日目ともにイベルメクチン群のほうが溶媒対照群よりも有意に多く,それぞれ 94.9% 対 31.3%,85.2% 対 20.8%,73.8% 対 17.6%であった(各比較について P<0.001).有害事象の頻度と重症度は 2 群で同程度であった.
イベルメクチンを家庭で単回塗布し 10 分置く治療法は,溶媒対照と比較して,治療後 1 日目,7 日目,14 日目におけるアタマジラミの駆除に有効であった(Topaz Pharmaceuticals 社 [現 Sanofi Pasteur 社] から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT01066585,NCT01068158)