The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

November 1, 2012 Vol. 367 No. 18

BRAF V600 変異陽性黒色腫に対する BRAF 阻害と MEK 阻害の併用
Combined BRAF and MEK Inhibition in Melanoma with BRAF V600 Mutations

K.T. Flaherty and Others

背景

BRAF キナーゼ阻害薬を用いた治療に対する抵抗性は,マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)経路の再活性化に関連している.この問題に対処するために,選択的 BRAF 阻害薬ダブラフェニブ(dabrafenib)と選択的 MAPK キナーゼ(MEK)阻害薬トラメチニブ(trametinib)の併用治療に関する第 1・第 2 相試験を行った.

方 法

BRAF V600 変異陽性転移性黒色腫患者 247 例を対象とした非盲検試験を行った.まず,85 例で経口ダブラフェニブ(75 mg または 150 mg を 1 日 2 回)およびトラメチニブ(1 mg,1.5 mg,2 mg のいずれかを 1 日 1 回)の薬物動態学的活性と安全性を評価し,その後 162 例をダブラフェニブ(150 mg)+トラメチニブ(1 mg または 2 mg)併用療法群とダブラフェニブ単剤療法群に無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,皮膚扁平上皮癌の発生率,黒色腫の無増悪生存,および奏効とした.副次的エンドポイントは,全生存および薬物動態学的活性とした.

結 果

ダブラフェニブ 150 mg+トラメチニブ 2 mg 併用療法群(150/2 併用群)では,用量制限毒性はほとんど認められなかった.皮膚扁平上皮癌は 150/2 併用群の 7%と,単剤療法群の 19%に認められた(P=0.09).一方,発熱は 150/2 併用群のほうが単剤療法群よりも高頻度に認められた(71% 対 26%).無増悪生存期間中央値 は,150/2 併用群では 9.4 ヵ月であったのに対し,単剤療法群では 5.8 ヵ月であった(増悪または死亡のハザード比 0.39,95%信頼区間 0.25~0.62,P<0.001).完全または部分奏効達成率は,150/2 併用群では 76%であったのに対し,単剤療法群では 54%であった(P=0.03).

結 論

ダブラフェニブとトラメチニブを,それぞれの単剤療法における最大用量で安全に併用することができた.併用療法によって発熱の発現率が上昇したが,その一方で増殖性皮膚病変の発生率は有意ではないが低下した.無増悪生存期間は有意に改善した.(GlaxoSmithKline 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT01072175)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2012; 367 : 1694 - 703. )