The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

November 22, 2012 Vol. 367 No. 21

注意欠陥多動性障害に対する薬物療法と犯罪
Medication for Attention Deficit-Hyperactivity Disorder and Criminality

P. Lichtenstein and Others

背景

注意欠陥多動性障害(ADHD)は犯罪行動との関連がいくつかの研究で示されている,頻度の高い障害である.ADHD には薬物療法を用いることができ,犯罪のリスクが減少する可能性がある.

方 法

スウェーデンの全国登録を用いて,スウェーデンにてADHD の診断を受けたことのある患者 25,656 例の,2006~09 年における薬物療法とその後の刑事上の有罪判決に関する情報を収集した.層別化 Cox 回帰分析により,同じ患者群で,ADHD 治療薬の投与を受けている期間の犯罪率と,受けていない期間の犯罪率とを比較した.

結 果

薬物療法を受けていない期間と比較して,ADHD 治療薬の投与を受けている患者では犯罪率が有意に低下し,男性で 32%(補正ハザード比 0.68,95%信頼区間 [CI] 0.63~0.73),女性で 41%(ハザード比 0.59,95% CI 0.50~0.70)低下した.男性を対象とした,薬物の種類(たとえば中枢神経刺激薬とそれ以外)や転帰(たとえば犯罪の種類)などを因子とした感度分析においても,犯罪率の低下は 17~46%の範囲にあった.

結 論

ADHD 患者では,ADHD 治療薬の投与を受けている期間の犯罪率が低かった.この結果は,薬物療法によって ADHD 患者の犯罪率が低下する可能性を強く示唆するものであった.(スウェーデン研究評議会ほかから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2012; 367 : 2006 - 14. )