The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

August 2, 2012 Vol. 367 No. 5

異性愛者の男女における HIV 予防のための抗レトロウイルス薬予防的投与
Antiretroviral Prophylaxis for HIV Prevention in Heterosexual Men and Women

J.M. Baeten and Others

背景

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)曝露前の抗レトロウイルス薬の予防的投与は,異性愛者集団の HIV 1 型(HIV-1)感染の予防に有望な方法である.

方 法

ケニアとウガンダの HIV-1 血清陽性者・陰性者から成る異性カップルを対象に,曝露前予防として用いる経口抗レトロウイルス療法の無作為化試験を行った.各カップルの HIV-1 血清陰性パートナーを 3 つの試験レジメン,すなわち,テノホビル(TDF),テノホビル・エムトリシタビン合剤(TDF-FTC),マッチするプラセボのいずれかに無作為に割り付け,1 日 1 回投与した.追跡は月 1 回,最長 36 ヵ月間行った.登録時に,HIV-1 血清陽性パートナーは,各国のガイドラインによると抗レトロウイルス療法に不適格であった.すべてのカップルは標準的な HIV-1 治療と予防サービスを受けた.

結 果

4,758 組のカップルを登録し,うち 4,747 組を追跡した.1,584 組を TDF,1,579 組を TDF-FTC,1,584 組をプラセボに無作為に割り付けた.追跡したカップルのうち,62%で HIV-1 血清陰性パートナーは男性であった.HIV-1 血清陽性者では,CD4 数中央値は 495 個/mm3(四分位範囲 375~662)であった.試験期間中に,血清陰性者 82 人で HIV-1 感染が発生した.内訳は TDF 群 17 人(発生率 0.65/100 人年),TDF-FTC 群 13 人(発生率 0.50/100 人年),プラセボ群 52 人(発生率 1.99/100 人年)で,HIV-1 感染率の相対的低下は,TDF 群 67%(95%信頼区間 [CI] 44~81,P<0.001),TDF-FTC 群 75%(95% CI 55~87,P<0.001)であった.HIV-1 に対する防御効果に TDF-FTC と TDF 単独とで有意差は認められず(P=0.23),いずれの試験薬も,男女両方の HIV-1 感染率を有意に低下させた.重篤な有害事象の発生率は 3 群間で同程度であった.実薬治療を受けていた 8 人がベースラインで HIV-1 に感染していたことが判明し,うち 2 人では試験期間中に抗レトロウイルス薬耐性が出現した.

結 論

異性愛者の男女において,経口 TDF と TDF-FTC はいずれも HIV-1 感染を防御する.(ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団から研究助成を受けた.Partners PrEP ClinicalTrials.gov 番号:NCT00557245)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2012; 367 : 399 - 410. )