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January 10, 2013 Vol. 368 No. 2

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過多月経に対するレボノルゲストレル子宮内器具と内科的治療との比較
Levonorgestrel Intrauterine System versus Medical Therapy for Menorrhagia

J. Gupta and Others

背景

過多月経は頻度の高い問題であるが,治療に関する意思決定に役立つエビデンスは限られている.実用的多施設共同無作為化試験において,過多月経でプライマリケア医を受診した女性を対象に,レボノルゲストレル放出子宮内器具(レボノルゲストレル-IUS)と通常の内科的治療とを比較した.

方 法

過多月経の女性 571 例を,レボノルゲストレル-IUS による治療と,通常の内科的治療(トラネキサム酸,メフェナム酸,エストロゲン-プロゲストーゲン配合剤,プロゲステロン単独のいずれか)に無作為に割り付けた.主要転帰は患者評価による過多月経多属性スケール(MMAS)のスコア(0~100 でスコアが低いほど重症)とし,2 年間評価した.副次的転帰は一般的 QOL スコア,性的活動スコア,外科的治療などとした.

結 果

MMAS スコアは,レボノルゲストレル-IUS 群,通常治療群ともにベースラインから 6 ヵ月後までに改善した(平均上昇量はそれぞれ 32.7 ポイントと 21.4 ポイント,両比較において P<0.001).この改善は 2 年間維持されたが,レボノルゲストレル-IUS 群のほうが通常治療群よりも有意に大きかった(平均群間差 13.4 ポイント,95%信頼区間 9.9~16.9,P<0.001).MMAS のすべての領域(実際的な問題,社会生活,家族生活,仕事および日常活動,精神的健康,身体的健康)における改善は,レボノルゲストレル-IUS 群のほうが通常治療群よりも有意に大きく,QOL の 8 つの領域中 7 つにおいても同様であった.2 年の時点で,レボノルゲストレル-IUS の使用を継続している女性は,通常の内科的治療を継続している女性よりも多かった(64% 対 38%,P<0.001).外科的治療を受けた割合,性的活動スコアには,群間で有意差は認められなかった.重篤な有害事象についても,群間で有意差は認められなかった.

結 論

過多月経でプライマリケア医を受診した女性において,レボノルゲストレル-IUS は,通常の内科的治療と比較して,重度の月経出血による QOL への影響を低減する効果が高かった.(英国国立衛生研究所・医療技術評価プログラムから研究助成を受けた.ECLIPSE Controlled-Trials.com 番号:ISRCTN86566246)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 368 : 128 - 37. )