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January 10, 2013 Vol. 368 No. 2

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化学療法歴のない転移性前立腺癌におけるアビラテロン
Abiraterone in Metastatic Prostate Cancer without Previous Chemotherapy

C.J. Ryan and Others

背景

アンドロゲン生合成阻害薬であるアビラテロン酢酸塩(abiraterone acetate)は,化学療法歴のある転移性去勢抵抗性前立腺癌患者の全生存期間を改善する.われわれはこの薬剤を,化学療法歴のない患者を対象に検討した.

方 法

二重盲検試験において,患者 1,088 例を,アビラテロン酢酸塩(1,000 mg)+プレドニゾン(prednisone)(5 mg 1 日 2 回)群とプラセボ+プレドニゾン群に無作為に割り付けた.共通主要転帰は,放射線学的無増悪生存期間および全生存期間とした.

結 果

試験は,期待死亡数の 43%が発生したあとに行われた,事前に計画されていた中間解析後に非盲検化された.放射線学的無増悪生存期間の中央値は,アビラテロン+プレドニゾン群で 16.5 ヵ月,プレドニゾン単独群で 8.3 ヵ月であった(アビラテロン+プレドニゾン群のプレドニゾン単独群に対するハザード比 0.53,95%信頼区間 [CI] 0.45~0.62,P<0.001).追跡期間中央値 22.2 ヵ月間で,全生存期間はアビラテロン+プレドニゾン群で延長したが(中央値に達していないのに対し,プレドニゾン単独群では 27.2 ヵ月;ハザード比 0.75;95% CI 0.61~0.93;P=0.01),有効性の有意水準は超えなかった.アビラテロン+プレドニゾン群には,細胞毒性化学療法開始までの期間,癌性疼痛に対するアヘン製剤使用までの期間,前立腺特異抗原の増悪までの期間,全身状態の低下までの期間について,プレドニゾン単独群に対する優位性が示された.アビラテロン+プレドニゾン群では,鉱質コルチコイドに関連するグレード 3~4 の有害事象と肝機能検査異常の頻度がより高かった.

結 論

アビラテロンは,転移性去勢抵抗性前立腺癌患者において,放射線学的無増悪生存期間を改善し,全生存期間を改善させる傾向を示し,臨床的悪化と化学療法の開始を有意に遅延させた.(Janssen Research and Development 社 [旧 Cougar Biotechnology 社] から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00887198)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 368 : 138 - 48. )