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August 1, 2013 Vol. 369 No. 5

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高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫に対するレナリドミドとデキサメタゾンの併用
Lenalidomide plus Dexamethasone for High-Risk Smoldering Multiple Myeloma

M.-V. Mateos and Others

背景

くすぶり型多発性骨髄腫の患者に対しては,症状が発現するまでは経過観察を行うのが標準である.しかしこのアプローチでは,早期介入により利益を得る可能性のある高リスク患者が同定されない.

方 法

無作為化非盲検第 3 相試験において,高リスクのくすぶり型骨髄腫患者 119 例を,治療群と経過観察群とに無作為に割り付けた.治療群の患者には,導入レジメン(4 週間を 1 サイクルとして,レナリドミド 25 mg/日を 1~21 日目に投与し,デキサメタゾン 20 mg/日を 1~4 日目と 12~15 日目に投与する治療を 9 サイクル)の後,維持レジメン(28 日を 1 サイクルとして,レナリドミド 10 mg/日を 1~21 日目に投与する治療を 2 年間)を行った.主要評価項目は症候性疾患に進行するまでの期間とした.副次的評価項目は奏効率,全生存率,安全性とした.

結 果

追跡期間中央値 40 ヵ月において,進行までの期間の中央値は,治療群のほうが経過観察群よりも有意に長かった(中央値に未到達 対 21 ヵ月,進行のハザード比 0.18,95%信頼区間 [CI] 0.09~0.32,P<0.001).3 年生存率も治療群のほうが高かった(94% 対 80%,死亡のハザード比 0.31,95% CI 0.10~0.91,P=0.03).治療群で部分奏効以上を達成した患者の割合は,導入期間後は 79%,維持期間中は 90%であった.毒性は主にグレード 2 以下であった.

結 論

高リスクのくすぶり型骨髄腫患者に対する早期治療は,活動性疾患への進行を遅らせ,全生存率を改善させる.(Celgene 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00480363)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 369 : 438 - 47. )