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August 1, 2013 Vol. 369 No. 5

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腹部手術における低 1 回換気量を用いた術中換気に関する試験
A Trial of Intraoperative Low-Tidal-Volume Ventilation in Abdominal Surgery

E. Futier and Others

背景

多くの重症患者のケアにおいては,低 1 回換気量と呼気終末陽圧を用いた肺保護的換気が最善であると考えられている.しかし,大手術を受ける麻酔下の患者におけるその役割は不明である.

方 法

多施設共同二重盲検並行群間試験において,腹部大手術後の肺合併症のリスクが中~高の成人 400 例を,非保護的人工換気と,肺保護的換気戦略のいずれかに無作為に割り付けた.主要転帰は,術後 7 日間に発生した重大な肺および肺外合併症の複合とした.

結 果

2 つの介入群の患者背景は類似していた.intention-to-treat 解析において,主要転帰は,肺保護的換気群では 200 例中 21 例(10.5%)に発生したのに対し,非保護的換気群では 200 例中 55 例(27.5%)に発生した(相対リスク 0.40,95%信頼区間 [CI] 0.24~0.68,P=0.001).術後 7 日間に,急性呼吸不全で非侵襲的換気または挿管を必要としたのは,肺保護的換気群では 10 例(5.0%)であったのに対し,非保護的換気群では 34 例(17.0%)であった(相対リスク 0.29,95% CI 0.14~0.61,P=0.001).入院期間は肺保護的換気群のほうが非保護的換気群よりも短かった(平均差 -2.45 日,95% CI -4.17~ -0.72,P=0.006).

結 論

腹部大手術を受ける中~高リスクの患者に対する肺保護的換気戦略は,非保護的人工換気と比較して,臨床転帰の改善および医療資源の利用の減少に関連していた.(IMPROVE ClinicalTrials.gov 番号:NCT01282996)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 369 : 428 - 37. )