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October 2, 2014 Vol. 371 No. 14

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小児におけるグルテン導入,HLA 遺伝型,セリアック病のリスク
Introduction of Gluten, HLA Status, and the Risk of Celiac Disease in Children

E. Lionetti and Others

背景

セリアック病のリスクと,児の食事にグルテンが導入される月齢,早期における食事パターンとの関連は明らかにされていない.

方 法

第一度近親者にセリアック病患者がいる新生児 832 例を,グルテンを含む食事を生後 6 ヵ月で導入する群(A 群)と 12 ヵ月で導入する群(B 群)に無作為に割り付けた.生後 15 ヵ月で HLA 遺伝型を決定し,15 ヵ月,24 ヵ月,36 ヵ月,5 歳,8 歳,10 歳の時点で,血清学的スクリーニングによりセリアック病の評価を行った.血清学的に陽性であった例に対しては腸生検を行った.主要評価項目は,5 歳の時点におけるセリアック病自己免疫と顕在的なセリアック病の有病率とした.

結 果

36 ヵ月の時点で試験を継続していた 707 例中,553 例が標準リスクまたは高リスクの HLA 遺伝型を有しており,試験を終了した.2 歳の時点で,A 群では B 群と比較して,セリアック病自己免疫を有する児の割合(16% 対 7%,P=0.002)と,顕在的なセリアック病を有する児の割合(12% 対 5%,P=0.01)が有意に高かった.5 歳の時点では,セリアック病自己免疫(A 群 21%と B 群 20%,P=0.59)と顕在的なセリアック病(A 群 16%と B 群 16%,log-rank 検定で P=0.78)のいずれについても,群間で有意差は認められなくなった.10 歳の時点では,セリアック病自己免疫のリスクは,高リスクの HLA 遺伝型を有する児では標準リスクの HLA 遺伝型を有する児よりもはるかに高く(38% 対 19%,P=0.001),顕在的なセリアック病のリスクについても同様であった(26% 対 16%,P=0.05).母乳栄養などのその他の変数に,セリアック病発症との関連は認められなかった.

結 論

セリアック病のリスクを有する乳児において,グルテンの待期的導入や母乳栄養のいずれによってもリスクは改善されなかったが,グルテン導入が遅いことと,発症遅延との関連が認められた.高リスクの HLA 遺伝型は,セリアック病の重要な予測因子であった.(イタリアセリアック病協会のセリアック病財団から研究助成を受けた.CELIPREV 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT00639444)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 371 : 1295 - 303. )