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October 23, 2014 Vol. 371 No. 17

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転移性大腸癌に対する FOLFOXIRI とベバシズマブによる初期治療
Initial Therapy with FOLFOXIRI and Bevacizumab for Metastatic Colorectal Cancer

F. Loupakis and Others

背景

フルオロピリミジン系+イリノテカンまたはオキサリプラチンにベバシズマブ(抗血管内皮増殖因子モノクローナル抗体)を併用するのが転移性大腸癌に対する標準的な一次治療である.ベバシズマブが導入される前に,フルオロウラシル+ロイコボリン+オキサリプラチン+イリノテカン(FOLFOXIRI)化学療法は,フルオロウラシル+ロイコボリン+イリノテカン(FOLFIRI)化学療法よりも有効性が優れていることが示されている.FOLFOXIRI+ベバシズマブは第 2 相試験において有望な活性を示し,副作用の発現率は許容しうるものであった.

方 法

未治療の転移性大腸癌患者 508 例を,FOLFIRI+ベバシズマブ(対照群)と FOLFOXIRI+ベバシズマブ(実験群)に無作為に割り付けた.最大 12 サイクルの治療を行い,その後疾患進行が確認されるまでフルオロウラシル+ベバシズマブを投与した.主要評価項目は無増悪生存期間とした.

結 果

無増悪生存期間中央値は実験群で 12.1 ヵ月であったのに対し,対照群では 9.7 ヵ月であった(進行のハザード比 0.75,95% 信頼区間 [CI] 0.62~0.90,P=0.003).客観的奏効率は実験群 65%,対照群 53%であった(P=0.006).全生存期間は実験群のほうが長かったが,有意ではなかった(31.0 ヵ月 対 25.8 ヵ月,死亡のハザード比 0.79,95% CI 0.63~1.00,P=0.054).グレード 3 または 4 の神経毒性,口内炎,下痢,好中球減少症の発現率は,実験群のほうが有意に高かった.

結 論

転移性大腸癌患者において,FOLFOXIRI+ベバシズマブ療法を行った場合,FOLFIRI+ベバシズマブ療法を行った場合と比較して転帰が改善し,一部の有害事象の発現率が上昇した.(イタリア北西部腫瘍学グループほかから研究助成を受けた.Clinical Trials.gov 登録番号 NCT00719797)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 371 : 1609 - 18. )