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April 16, 2015 Vol. 372 No. 16

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白内障手術を受けるメディケア患者における術前検査
Preoperative Medical Testing in Medicare Patients Undergoing Cataract Surgery

C.L. Chen and Others

背景

白内障手術を受ける患者では,一般的な術前検査を行っても,有害事象が減少することも転帰が改善することもないため推奨されていない.われわれは,このガイドラインの遵守状況の評価と,必要でない可能性がある検査に対する支出額の推計,必要でない可能性がある検査に関連する患者および医療制度の特性の同定を試みた.

方 法

2011 年に白内障手術を受けたメディケア受給者の観察コホートを用いて,手術前の 1 ヵ月間における術前検査の実施率と費用を求めた.術前検査の実施率と外来受診率を,その前の 11 ヵ月間における検査実施率と外来受診率の平均と比較した.多変量階層解析を用いて,術前検査と,患者背景,医療制度の特性,手術環境,ケアチーム,術前外来受診との関連を検討した.

結 果

440,857 例のうち,53%が手術前の 1 ヵ月間に 1 つ以上の術前検査を受けていた.手術前の 1 ヵ月間における検査の支出額は,その前の 11 ヵ月間における 1 ヵ月あたりの支出額の平均と比較して 480 万ドル(42%)高く,外来受診の支出額については 1,240 万ドル(78%)高かった.検査は眼科医によって大きく異なり,眼科医の 36%が,自身の患者の 75%以上に対して術前検査をオーダーしていた.患者が検査を受ける確率は,主に,術前評価を管理していた眼科医と関連していた.

結 論

白内障手術の術前検査は高頻度に行われており,患者背景よりも医療提供者の診療パターンと強く関連していた.(麻酔教育研究基金およびグローブ財団から研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 372 : 1530 - 8. )